その2(全3回) 南部5侯は軍隊の5つのタイプを象徴している
帝国の南部は、自治領となっており、5人の辺境伯が統治を任されていた。これら5人は「南部5侯」と呼ばれ、必ずしも帝国に忠誠を誓っているわけではない。
だから、その領地は、もはや帝国の自治領と言うより、半独立国と言ったほうが正解かもしれない。
「帝国に従属したほうが得策なら従属するし、他国に従属したほうが得策なら他国に従属する。もちろん独立したほうが得策なら独立する」
そういうスタンスをもっている点で南部5侯は共通していたが、もちろん個性はそれぞれ違っている。
南部5侯は、カワ辺境伯、トウドウ辺境伯、フワ辺境伯、シン辺境伯、ヒラ辺境伯の5人だが、その個性的な特徴をあげるならこうなる。
カワ辺境伯は、がっちりとした体格で、なによりも元気だけが取り柄といった感じだった。「力こそ正義」が口ぐせだ。そういう性格なので、人びとからは「元気侯」と呼ばれていた。
トウドウ辺境伯は、スマートな青年で、とにかく自信にあふれていた。「オレTUEEE」が口ぐせだ。そういう性格なので、人びとからは「自信侯」と呼ばれていた。
フワ辺境伯は、まるで修道女のような淑女で、そのキレイな見かけとは裏腹に不屈の精神をもっていた。「これと決めたら、これを貫く」が口ぐせだ。そういう性格なので、人びとからは「不屈侯」と呼ばれていた。
シン辺境伯は、見るからに神経質そうな細身の紳士で、なにごとにおいても慎重だった。「人を見たらドロボウと思え」が口ぐせだ。そういう性格なので、人びとからは「慎重侯」と呼ばれていた。
ヒラ辺境伯は、おとなしい学者タイプの少年で、まず熟慮してから行動するほうだった。「よく考えてみた?」が口ぐせだ。そういう性格なので、人びとからは「熟慮侯」と呼ばれていた。
南部の統治は、この5人の辺境伯が話しあって決めていた。話しあいは、慣習として南部の中央にある人工都市・ストウで行われることになっている。そこには会議のための施設「会盟宮殿」もあった。
そして、このときの議題は、イチマツ宰相からの要請に対し、どう対処するかだった。
『貴侯らには、ぜひ皇子派につき、タケト皇子をもりあげてもらいたい』
イチマツ宰相は、連邦での講和会議の帰り道、南部に立ち寄り、こんな要請を南部5侯に出したのだった。
これを受け、南部5侯はただちに集まり、話しあう。
「わたくしたちにとって重要なのは、これまでどおり南部の自由と独立を守ることにあります。それを基準にして、イチマツ宰相の提案について評価しましょう」
フワ辺境伯は、議長役として会議をリードする。
4人の辺境伯――カワ辺境伯、トウドウ辺境伯、シン辺境伯、ヒラ辺境伯は、それに同意して、うなずく。
「とにかく心配でならない。中央の政争に首をつっこんで、だいじょうぶであろうか?」
まっ先に発言したのは、最初から心配そうにしていたシン辺境伯だった。
「――南部の自由と独立を守るためには、これまでどおり皇太子派にもつかず、皇子派にもつかないほうが無難ではないか?」
「ボクもシン辺境伯と同じです――」
ヒラ辺境伯は、おどおどしながら発言する。
「――中央の内情すらよく分かっていないのですから、今は様子見を決めこんだほうがよいのではないでしょうか?」
すると、カワ辺境伯が大きな声で言った。
「日和見主義とは、なんと情けないことか! それでも貴侯らは漢か!」
「そうだぜ―」
トウドウ辺境伯が、快活に言う。
「――オレたちの兵士が精強なのは、広く知られているとおりだ。だから、オレたちが手を組めば、帝国だって迂闊には手を出せない。だからこそ、これまでオレたちは、南部の自由と独立を保ってこられた。そうだろ?」
「たしかに、そうだが……」
シン辺境伯は、自信なさげに同意する。
「たしかに、そうだけど……」
ヒラ辺境伯も、自信さなさげに同意した。
「おいおい、その弱腰ぶりは、なんだ?」
カワ辺境伯が、あきれたように言う。
「――少しは“自信侯”トウドウ辺境伯の自信を見習ったらどうか?」
「だぜ。オレたちは強いんだから、もっと自信をもとうぜ」
「……でも、自信とうぬぼれは違うと思うんだ。うぬぼれると失敗するし……」
ヒラ辺境伯がおどおどしながら発言していると、カワ辺境伯がにらみつけるようにして言った。
「はぁ!?」
ヒラ辺境伯は思わず気圧されてしまった。ひっと悲鳴をあげ、口をとじてしまう。
「カワ辺境伯、発言には気をつけてください――」
フワ辺境伯が、カワ辺境伯に鋭い視線を向け、きつい表情で言う。
「――貴侯の発言は、自由な論議を阻害します」
「あ、ああ……。悪いことをした。許されたい」
カワ辺境伯は、美人に弱いのか、ちょっと照れくさそうに頭をかきながら謝る。
「話は変わるけどよ、あの空中戦艦って、強いんだろ?」
トウドウ辺境伯が話の流れを変えるように言った。
「さしもの帝国軍もまるで歯が立たなかったと聞いている――」
シン辺境伯が深刻そうに言う。
「――あれに攻められたら、どうなるか? そのことを考えると、頭が痛くてかなわない」
「とにかくボクたちは知らないことが多すぎると思う」
ヒラ辺境伯も心配そうに言った。
「まあ、それはそれで心配かもしれないけどさ、オレたちが宰相殿に味方すれば――皇子派につけば、空中戦艦もオレたちに味方してくれるんだろ?」
トウドウ辺境伯は、さらりと言う。
「――だったら、心配いらないだろ?」
「うむ。勝ち馬に乗ることこそ重要だ。“勝てば官軍”とも言うしな。なにを心配することがあろうか」
カワ辺境伯は堂々とした口ぶりで言った。
今回、イチマツ宰相は、連邦の空中戦艦に乗って南部をおとずれていた。空中戦艦の力を背景にして、南部5侯に対し「皇子派につけ」と要求していた。
どういうことか?
話は少しさかのぼる。
◆ ◆ ◆
イチマツ宰相は、西部辺境守備軍が3賊(海賊、馬賊、山賊)の討伐に成功したあたりから、帝国内の政争に勝つため、こんなことを考えるようになっていた。
(北部は当然ながらフミト皇太子の支配下にあるし、西部もフミト皇太子の影響下に入りそうな勢いだ――)
北部辺境守備軍は連邦「百万の大軍」と言う強敵を退けた精鋭だし、西部辺境守備軍は3賊という難敵を平らげた精鋭だ。
(――さらに南部までフミト皇太子におさえられたなら、中央が南北から挟撃されかねない。これは危険だ。フミト皇太子に先んじて南部を手なずけておく必要がある)
「それは必要だと思うが、どうやって南部5侯を味方につけるんだよ?」
タケト皇子は、イチマツ宰相の提案を受け、けげんそうに言う。
「――あいつらは面従腹背の愚連隊だぞ。イマイチ信用できないのではないか?」
「たしかに信用できませんが、“皇子派についたほうが得策だ”と思わせる“なにか”がありますれば、こちらにつき従うものと思われます」
「その“なにか”とは、なにか?」
タケト皇子から問われたが、ことのきのイチマツ宰相にはその「なにか」が思い浮かばなかった。
たとえ高い地位や謝礼と引きかえに南部5侯を味方につけたとしても、そういった地位や謝礼はフミト皇太子にも用意できるものだ。
こちらよりも高い地位や謝礼をフミト皇太子が用意すれば、南部5侯はあっさりと寝返るだろう。
だからこそ、フミト皇太子には用意できない「なにか」を用意する必要がある。
――だが、それには、なにがある?
そのせいで悩んでいたイチマツ宰相だったが、講和会議のために連邦に出向いたとき、その「なにか」を見つけた。空中戦艦だ。
「われらの帝国での地位を盤石なものとするため、貴国の空中戦艦を利用させてもらえないだろうか?」
イチマツ宰相は、私的にヤオ党首のもとをおとずれて相談した。
「どういうことですか?」
ヤオ党首は、好意的な笑顔を見せた。
「空中戦艦で南部5侯を威嚇し、われらに服従を誓わせたいのです」
イチマツ宰相の考えは、こうだ。
空中戦艦は、無敵なので、敵対しても勝てない。だから、南部5侯に空中戦艦を見せつけ、「タケト皇子派に歯向かえば痛い目にあうぞ」と脅し、南部5侯を屈服させたい。
空中戦艦は、当然ながらフミト皇太子にはないものなので、帝国内の政争に勝つための切り札になる。だから、空中戦艦を貸してほしい。
「そういうことでしたら、喜んで協力いたしましょう――」
ヤオ党首は、快諾する。
「――世界平和のためにも、連邦に友好的な政権が帝国に樹立されるのは、ありがたいことです」
もちろん、イチマツ宰相に協力を約束したヤオ党首のねらいは別にあった。
シン帝国の内部抗争が激化すれば、それだけ連邦が有利になる。そうなれば、シン帝国の攻略もたやすくなる。
どうやら皇太子派のほうが優勢なようだが、南部5侯が皇子派につけば、両派の力が拮抗する。
この状態で両派が争えば、どちらが勝つにしろ、勝ったほうも大きなダメージを受ける。そこをねらえば楽勝だ。
(こうやって漁夫の利をねらえば、戦わなくても勝てる。ふふふ)
だからこそイチマツ宰相に協力し、南部5侯を皇子派につけたほうがよい。
これがヤオ党首のたくらみだったが、イチマツ宰相がそれに気づくわけもない。
「ヤオ党首の友情には、ただただ感謝するばかりです」
イチマツ宰相は、無邪気に喜ぶ。そして、連邦からの帰路、使節団とともに3隻の空中戦艦に分乗して南部に立ち寄った。南部5侯に対して皇子派への従属を求めるためだ。
◆ ◆ ◆
かくして集まって話しあうことになった南部5侯は、会議が進むにつれて意見が大きく2つに分かれていった。
「皇子派について、南部の発言力を高めたい」
これがカワ辺境伯、トウドウ辺境伯の最終的な意見だった。
「形勢が不明なので、これまでどおり不偏不党の姿勢でいたほうがよい」
これがシン辺境伯、ヒラ辺境伯の最終的な意見だった。
4人の意見は、まっ二つに分かれていた。あとは議長役を務めるフワ辺境伯がどちらにつくかで決まる――。
そのように思えるかもしれないが、南部5侯の会議では多数決で結論を出さない。それに、そもそもフワ辺境伯は、意見が2つに割れたときは自分の意見を言わない。
「議長役は、公正中立であるべきと考えます。ですから、意見が2つに割れて定まらない以上、わたくしは意見を保留します」
これがフワ辺境伯の考え方だった。
多数決では決まらないので、結論は「皇子派につく」ことに決まる。なぜか?
会議では、おうおうにして声が大きくて、話し好きな人の意見がとおる。そして、カワ辺境伯は元気なので声が大きいし、トウドウ辺境伯は自信家なので話し好きだ。
だから、カワ辺境伯とトウドウ辺境伯の考えに引きずられ、会議では「皇子派につく」ことが決まったわけだ。
◆ ◆ ◆
それから数か月が経過した今、イチマツ宰相は空中戦艦に乗って郊外要塞を脱出し、そのまま南部に入った。「敗軍の将」だが、その表情は明るい。
「天下無敵の空中戦艦に加え、南部5侯の精強な地上部隊があれば、たやすく中央を制圧できる。皇帝の奪還も時間の問題だ」
もちろん南部5侯は、事前の取り決めどおりにイチマツ宰相を歓迎する。そして、その数日後、南部5侯の連名で声明を出した。
『皇帝の名を借りて政治を壟断する逆賊どもを断罪するため、南部を統べる5侯の名において南部は決起する』
この声明は、すぐさま大本営にも伝えられた。
大本営とは、戦時に置かれる帝国の最高意思決定機関だ。その会議には皇帝も臨席することになっているので、大本営の決定はそのまま勅命となる。
ただし今は皇帝が病気であることから、フミト皇太子が摂政――皇帝代理として大本営の会議に臨席していた。
今回、大本営は離宮におかれている。その構成メンバーは、フミト皇太子のほか、ヤマキ中将、クリー、アルキン、ハナ皇姫、近衛兵団長、総司令官といった顔ぶれだった。
帝国政府から皇子派――タケト皇子やイチマツ宰相たちの派閥が排除された今、この7人が帝国政府における事実上の指導陣となっている。
行政上のこまかなことについては、北部辺境守備軍の幹部たち――政治将校、情報将校、主計将校、憲兵隊長、語学将校たちに「臨時政府」を組織させ、処理を一任していた。
幹部たちは、性格的な弱さもあるとはいえ、その全員がこれまでフミト皇太子と共に多くの困難を乗り越えてきている。相当の場数を踏んでいるだけあって、いざというときに頼りになる。
だからフミト皇太子は、安心して「皇子派対策」に専念できた。
「とりあえず早急に対処すべき問題は2つだ――」
大本営会議の席上で、フミト皇太子はおだやかに言う。
「――皇子派についた南部5侯をどうするか? そして、皇子派を加勢している連邦の空中戦艦にどう対処するか? なかなか頭の痛い問題だね」
「連邦に対しましては現在、外交ルートを通じ、わが帝国の内政問題に干渉しないように申し入れ、正式に抗議しております。いまだ返答はございませんが……」
総司令官が困惑気味に報告した。
「うまくいくと思うか?」
「おそらく難しいかと思いますが、ただ全力で努力していく所存ではあります」
「ありがとう。よろしく頼む」
「となりますれば、現状として皇子派は、空中戦艦に支援されながら、南部5侯の軍勢を帝都にさしむけてくると考えるのが妥当でありますな――」
ヤマキ中将が深刻な顔つきで言う。
「――空襲だけでしたら、まあ被害も出るでありましょうが、わが帝国の領土に関しては一寸も侵食できません。しかしながら、南部5侯の精強な地上部隊が攻めてくるとなると、話は別であります。相当な領土が占領されかねません」
「そう考えると、当面の脅威としては、空中戦艦よりも、南部5侯のほうが大きいというわけか?」
「はい。しかも、なかなかの強敵でありますから、厄介であります」
「なるほど……。そう言えば、軍師殿から何度も教えられたけど、相手が強いなら、バラして弱めるのが基本だったよね?」
フミト皇太子はクリーに話をふった。
「はい。3本の矢も束になれば折れにくいけど、1本ずつなら折れやすくなる」
「なにか離間策とか、あるかな?」
「はい。ある――」
そう答えるクリーのことを、総司令官と近衛兵団長はもの珍しげに見ていた。
(皇太子殿下のところには兵士たちから“作戦の神様”と呼ばれている若い軍師がいるとの噂を小耳にはさんだことがあるが、まさかこの少女が?)
2人は驚いていたが、それを表情には出さなかった。
(殿下がロリコンで、だから少女を連れているのかとも思ったが、とんだ勘違いだったか?)
そんなことを考えながら、2人はクリーを興味深そうに見つめる。
クリーは、理由も分からず2人からマジマジと見つめられて恥ずかしかったが、とりあえず気にしないようにしていた。
「南部5侯に対して同じように対処すれば、その利害も一致しやすくなるから、結束もしやすくなる」
「ことわざにある“同舟あい救う”というやつですな――」
ヤマキ中将が納得したように言う。
「――たとえ敵同士であっても、同じ船に乗っていて嵐に襲われたなら、助かるために協力しあうようになるという」
言われてクリーは、こくりとうなずいた。
「だから利害を一致させないようにすれば、南部5侯も結束しにくくなると思う。つまり、南部5侯それぞれに対して違った対処をとるようにすれば、利害も違ってくるから結束もしにくくなる」
「なるほど。では、どのように対処すればいい?」
フミト皇太子は、おだやかに問いかけた。
総司令官と近衛兵団長は、興味津々にクリーを見つめる。
(さて“作戦の神様”とやらが、どんな作戦を提案するか? これは見ものだ)
クリーは2人の熱い視線を感じていたが、あまり意識しないように努めながら言った。
「南部5侯のプロフィールを見せてもらい、分析してみたけど、軍隊にとって元気も、自信も、不屈も、慎重も、熟考も、全部が大切なことだと思う――」
うなずく一同。
「――病気だったり、弱気だったり、薄弱だったり、無謀だったり、軽率だったりすれば、あっけなく負けてしまう。だから、南部5侯の軍隊は精強なのだと思う」
「なるほど。強いのには、それなりの理由があるというわけだね?」
「はい。でも、悪くすれば元気は乱暴となり、自信は傲慢となり、不屈は頑固となり、慎重は疑心暗鬼となり、熟考は優柔不断となる」
「まさに“長所は短所”というわけですな」
「そう。それ。そして、わが一族に伝わる教えには、こうある――」
・相手が乱暴な軍隊なら、下手に出てチャンスをまつ。
・相手が傲慢な軍隊なら、礼儀を尽くして時間をかせぐ。
・相手が頑固な軍隊なら、誘い出して討ち取る。
・相手が疑心暗鬼な軍隊なら、ゲリラ的に襲撃して城においこんで兵糧攻めにする。
・相手が優柔不断な軍隊なら、おどして追いつめていく。出てくれば攻撃するし、出てこなければ包囲する。
「――こんな感じで、南部5侯に対する対応の仕方を違ったものにすれば、南部5侯の利害も一致しなくなって、結束しにくくなると思う」
(これがどこまで実戦で通用するのかは未知数だが、おもしろい考え方ではある。帝国存亡の危機を前にして不謹慎だが、今回は楽しめそうだ)
総司令官と近衛兵団長は、そんな考えが頭にうかんできた。なにげに楽しい気もちになって、思わずニヤけそうになる。しかし、この場でニヤけるのは不謹慎だ。なんとか顔をひきしめた。
「ん? 2人ともしかめっ面をしているが、異論でもあるのか? あれば遠慮なく言ってもらいたい」
フミト皇太子は笑顔で問いかけた。もちろん笑顔を見せたのは、みんなが自由に意見を言いやすい雰囲気をつくるためだ。
「あ、いえ、おもしろい提案であり、興味深く思っております」
近衛兵団長は、恐縮しながら答えた。
「異論はございませんが、どのような具体策となるのか、それが気になるところであります。ところで、クリー大佐に質問したいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」
総司令官は、たんたんと言った。
「もちろんだ」
笑顔で答えるフミト皇太子。
「ありがとうございます」
総司令官は、フミト皇太子に頭を下げてから、クリーに目を向ける。
「では、クリー大佐にうかがいたい。南部5侯に対する対処法はそれでよいとして、空中戦艦についてはいかがするつもりか?」
「今のところ分からない」
クリーはあっさり答えた。
「!?」
この予想外の答えに対して、総司令官は面食らってしまったようだ。あ然としている。
「分からないとは……。それはあまりにも無責任な――」
どうやら総司令官は苦言を呈そうとしたようだが、そのときハナ皇姫が口をはさんだ。
「空中戦艦に対抗する方法なら、あるわよ」
ハナ皇姫は、自信満々といった感じでニコニコしている。
「まだちょっと問題点もあるけど、それでも目途はたっているわ」




