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宇宙人からの依頼②

宇宙人カイムは、日本の人々と話し合います。それは来るべき“敵”との戦いに向けての準備です。

5-1-②  宇宙人からの依頼②


【宇宙人と、大阪の町工場社長との会話】

「この地球の周囲の宇宙空間を、通常空間と呼びます。ワープは通常空間から異空間または亜空間に移動することで、距離と時間を圧縮するわけです。」

「えーと…通常空間が電車の普通とすれば、ワープは新快速ですか?」

「いえ、新幹線に乗り換えると思って下さい。全く違うルートを選ぶようなものです。」

「そら、早うなりますなぁ。」

「ところが“敵”は通常空間とも異空間とも違う場所から出現しているようなのです。虚空間と呼称していますが、まだ確認出来ていません。」

「宇宙人はんの科学力でも、わからないことがあるんでっか。」

「残念ながら。“敵”は虚空間からこの通常宇宙へも異空間へも自由に出入り出来るのです。」

「どこから来るかわからない。それなのに、って在来線、新幹線どちらも自由に行き来するためにヘリコプターに乗っているみたいですな。」

「ああ、良い認識です。ただし、そのヘリコプターには紐がついているようなのです。」

「紐つき?それでは凧揚げの凧になりますやん。」

「はい、ですから、通常空間か亜空間で大打撃を与えると、紐がきれるようなのです。そして、慌てて虚空間に帰ろうとする。シヴァイ閣下が“敵”を叩いてくれたおかげで、わかってきた事実です。」

「ふーん。ほんまシヴァイはんって、偉いお人みたいですなー。」


【宇宙人と海上自衛官の会話】

「“スズメバチ”に対しては彼らの好みの餌を満載した補給艦を用意し、集まったところをワープで異空間に飛ばしてしまう作戦が効果的です。」

「費用対効果が悪い作戦なのでは?」

「その通りです。しかし“スズメバチ”や“クマバチ”の攻撃力は圧倒的です。艦隊戦では銀河宇宙軍が戦いを優勢に進めることが多いのですが、“スズメバチ”が出た途端に全艦壊滅、という事例も少なくありません。」

「艦載機を出撃される前に、艦隊を叩く、が良いわけですね。」

「はい。地球の…自衛隊の皆さんに期待しているのはその点です。あなたたちの戦闘へのデータや訓練は銀河宇宙軍の戦闘教本に匹敵します。その力を我々に、協力をお願いしたいのです。」


【宇宙人と某研究所研究員の会話】

「通常空間と異空間に大打撃を与える…ワープ中にその戦艦を自爆させてきたというお話ですが、それはワープインして自爆ですか。それともワープアウト中に自爆ですか?」

「自軍でワープインさせて、“敵”の陣中でワープアウトさせながら自爆、というパターンです。」

「ふむ…よくわからないのですが、宇宙空間、または異空間の同一地点にワープアウト・ワープインさせるとその衝撃は大きいのではないでしょうか。」

「それはそれは…実はシヴァイ総司令官も一度お考えになったようで、“妖精”と協議したアイデアです。そこに辿り着かれるとは…。」

「“妖精”はどのように答えたのですか。」

「この宇宙が崩壊する可能性もある。しかし、“敵”の虚空間にそのエネルギーが流れ込み、たいした影響はない可能性もある。ようは、わからない、だそうです。」

「“妖精”は全知全能の“神”ではない、というわけですね。」


 【宇宙人と江戸花火師協会会長の会話】

「つまり、その異空間で爆発し、そのまま通常空間でも爆発する、連発式の自爆戦艦を作れってか。浪速の人間の考えることはおもしろいねぇ。」

「はい、連続して自爆なんて…で、それを実現させられるとしたら、こちらのお力次第だろうって。」

「おうっ、よくぞ頼ってくださった。連発花火に関してはウチはどこにも負けねぇつもりでぇ。何十連発も必要じゃないんだろ?」

「は、はい。数回の連発で十分かと。」

「よしきた。まずは図面を見してもらいましょうかねぇ。」


 【宇宙人と某大学研究員の会話】

「ワープする自爆戦艦を砲弾と考えます。現在はその砲弾に居住スペースなど余分な物が多数附属しているわけですね。」

「それはそう…補給艦などを使用していますのでデッドウェイトは多いと思います。」

「では、自爆専用の突撃艦を作製しましょう。」

「突撃艦ですか。」

「はい。極論すれば、ワープインできる機関部と爆薬を満載した収容庫がそのまま敵艦に激突、または激突前にワープ空間で爆発すれば良いのではないでしょうか。」

「エンジンと爆薬だけが突撃していく…効率的ですね。」

「もっといえば、発射側で推力を与えられるならば…銃弾を改良するのではなくて、銃がレベルアップすれば、機関部も無用になりますね。火薬だけをワープ空間を経過して相手戦艦に突撃させる…ふむ、それが可能ならば火薬も無用になるかも。重力、電磁力、火力、水力など宇宙空間で存在できるエネルギーそのものをワープ空間に向けて砲撃できるようになるかもしれません。」

「高エネルギーそのものを、ワープ砲撃するわけですか…」

「発射する銃の方に負荷はかかりますが、それに耐えられれば連射も可能になるのではないでしょうか。一発撃って終わりの自爆攻撃よりも長い目で見れば戦いに向いていると思いますが。」


 地球人、いや日本人たちと面談を終えたカイムはつぶやいた。

「シヴァイ閣下の生まれ故郷だけのことはある。」



日本は宇宙人に侵略されました。宇宙人に舌を巻かせる日本人、おそるべし。

今回もご訪問そしてご一読ありがとうございます。

次より戦闘場面が始まる予定ですが、人間の残酷描写は避けたいと思っています。よろしくお願いします。

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