表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/275

ブスはダメなの?③

日本が宇宙人に侵略される前、日本は平和だったのでしょうか。

明日なんか来るな、と思うことはありませんか?

今は平和ですか。

4-2-③ ブスはダメなの?③


 日野くんのアルバイト料は週末に支払われたそうだ。月曜日、彼は小さなケーキを3つ学校に持ってきた。「昼飯のあとに食べようね」と言って渡してくれたそれは、少し悲しかった。

 

もう、お弁当の必要ないのかな。

  三人で一緒にお昼を取るのは、終わりかな。

 

 でも、授業が終わった後、彼は私たちの机に近寄ってきた。

「えーと…今日も…持って来ちゃたんだけど…。」

二つ目のお弁当をカバンから取り出す。

「…。実は期待してた。」

照れながら両手を合わせて、ありがとうのポーズの彼。

「あーあ、完全に餌付け成功だわ。されたのか、しちゃったのか、どっちかわかんないけどね。」

釜ちゃんの言葉に、三人は笑いあった。私はうれしかった。本当にうれしかった。

「これからも作っていいの?」

「これからも作ってくれるの?」

二人の声が重なり、それでまた笑いが起こった。


 釜谷さんとは違う授業もある。そのとき、日野くんがいたら、どちらからともなく並んで座るようになった。

 そして、毎朝満員のバスを嘆く私に

「じゃあ、一緒に乗ってく?お弁当のお礼にそれくらいはさせてよ。」

と、さらりと一言。次の日から朝の20分は二人きりの、幸せな時間になった。

 そんなある日、他県からから来てる彼に「大きな本屋さん教えて」と頼まれた。説明しようとする私に彼は

「次の休み、本屋までドライブはどう? もう何か予定入れてる?」

「え、いや、特に何も…。本屋さんね、私も丁度行きたかったの。」

 前の晩は服選びに何時間もかかった。

 その日、何をしゃべったか、何を食べたか、全然覚えていない。楽しい時間だけが流れていった。二人きりだと彼が会話をリードすることが多かった。彼の話はいつも面白くて、温かい。他人や何かを傷つけるような話題はなくて…おかげでその日も最初から最後まで私の心の傷、ずっと男の子や女の子と話せなかった、接することが出来なかったことに、近寄りもしなかった。いつも通りの楽しい時間。

 彼は家の近くまで送ってくれた。

「じゃあ、またね。月曜日のお弁当も楽しみにしているね。」

「うん、今日のよりも美味しく作ってあげる。」

「超豪華弁当になっちゃうよ。じゃあ、おやすみなさい。またね。」

「うん、ばいばい。」

手を振った後、涙が止まらなかった。なんで今日は終わっちゃうんだろう。ずっとずっと一緒に居られないんだろう。なんで、あんな人がいて、私の前に現れてくれたんだろう。

 ハンカチは涙が染みこみ続けて、重くなり続けた。


一般教養の授業は大講義室で行われる。私と釜ちゃんは大講前のフロアで渋滞につかまった。なんとか講義室に入ると、斜め前のちょっと離れたところに日野くんの姿が見えた。彼の周囲には数人の男子がいたので、声はかけなかった。でも気づいてしまった。そのうちの二人は…高校のとき同じクラスだった子たちだ。そして、声が聞こえてきた。

「あいつ、鉄球ってアダナだったんだぜ。顔がぱんぱんに腫れ上がっているだろ。」

「そうかな。…そういうアダナはイヤだなぁ。」

「お、さすが。つきあっている男はセリフがちがうねー。はははは。」

周囲からも笑い声。

「いつから、二人はつきあっているんだ?」

「…。つきあってはいないと思う。」


日野くんの一言に目の前が真っ暗になった。

そう、そうよね。私なんかが・・・・・・・・・。


日本が宇宙人に侵略される前の話ですが、それどころではないようです。

今回も読んで下さった方、ありがとうございます。

短く、心に残る文章って難しい、ということを、みなさんのおかげで学ばせていただいています。

爆発音が大好きなあなた、もうちょっと待って下さい。はよ書きたいよー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ