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二話・嗤うピエロ

「…なんの冗談だ…?」

不良の男が引きつった顔でそう呟くと、テレビに映った…ピエロは邪悪に笑った。


「ざんねん〜。冗談じゃないんだよね〜?金城隼斗くん」


「てめぇ…何で俺の名前を…」


「君の名前だけじゃないよ〜?風間剛くん、篠崎凛ちゃん、

西城恋華ちゃん、沢村誠司くん、藤森桂馬くん、とおっさん(笑)でしょう〜?」

何が楽しいのか、ピエロは「キャキャ…!」と甲高く聞くだけで不快になるような笑い声を上げる。


「き、貴様…!お、おっさん…だと!?」


中年男はひとりだけ名前を呼ばれなかったのが不満なのか、顔を真っ赤にしてピエロを睨みつける。


「怖いな〜(笑)幼児じゃなくても、殺しちゃうよ?工藤俊作くん」


「ッ!」


ピエロが中年男に視線合わせるように、不気味な目を向けると「ヒッ…!」と怯えるように中年男は後ずさった。


それを聞いている他の者達も、ワケの分からない状態と展開に薄気味悪さを感じていた。

そんな中…風間剛は気づいた。気づいてしまった。


それは本来ならマニアくらいしか、知らない存在。だが…引きこもりとして、日々色々なサイトを巡回している剛は気づいた。


「キラークラウン……」


戦後最悪の殺人鬼と呼ばれた存在。


「キャハハ!良く知ってるねぇ?僕が狩りをしていたのは君が産まれる前…アメリカならともかく、ここ日本で知ってるのなんて、マニアくらいだよ〜?」


楽しそうに粘つくような視線を剛に向ける。


「…どんな殺人鬼なの?」


気になったのだろう。黒髪の美少女。篠崎凛も剛に視線を向ける。


それに合わせるように、自然と皆に注目されて剛は慌てて説明する。


「えっと…20以上前。アメリカで起きた事件なんだけど…」


当時ジョン・ゲイリーは地元で資産家の名士して知られ、チャリティー活動にも熱心な為、周りからは【眠らない男】と呼ばれ畏敬と尊敬を向けられていた。


民主党の有力議員の一人でもあり、当時の大統領夫人とのツーショット写真が残されているほど。休日には孤児院などにピエロの格好して赴き、子供達の人気ものだったとか…そんな彼が戦後最悪の殺人鬼と呼ばれる原因となった凶行は、30人以上の少年を強姦してから殺して、近くの川や家の地下室に遺棄していた。


名士の隠れた凶行はは当時アメリカ社会を大きなショックを与えた。

蛇足ではあるが、彼が描いたピエロの絵はマニアの間で、非常に人気で有名人では俳優のジョニー・ウェップが所持している。


「…でもおかしいんだよ。キラークラウンはとうの昔に死刑にされているはず…なのに、テレビに映っているピエロは写真にそっくりなんだ…」


剛の言葉に皆の視線が、テレビに集まる。


「キャハハ!そんなに注目したら照れるじゃないか?ああ…ちなみに僕が本物か偽物かはどうでもいいことだし、君たちの状況には一切関係ないからねぇ〜」


「ば、バカバカしい!何が連続殺人鬼だ!早くここから出さんか!早く出さないと警察沙汰だぞ!?」


中年男は脅しにもならない事を喚いている。


「もう、うるさいなぁ。あんまりうるさいと【お願い】して君を他の子達に殺してもらうようにしちゃうよ?」


ピエロの言葉に中年男は血走った目を周りに向ける。


「き、貴様等もグルか!?そうなんだな!?」

混乱とストレスで正常な判断を失い、疑心暗鬼に陥った男は壁際に寄って、忙しなく目を動かしている。


何人が何かを言おうとしたが、それを遮るようにピエロの声が響いた。


「キャハハ!イイ感じに錯乱してるねぇ。でも安心していいよ?生き残りたければ殺し合えとか、命がけのゲームをクリアしろなんて言わないから」


ピエロはどす黒い笑みを浮かべる。


「ただ、その病院から頑張って命がけで脱出してもらうけどね?一番始めに脱出出来たら、ご褒美として10億ほど用意してるから精々楽しませてよ」


「命がけって…!?」茶髪の女子高生が叫ぶがピエロはそれには答えない。


「じゃ頑張ってね?扉のロックは外したから、後はご自由に…」


ただ一方的にそう告げると、テレビには何も映らなくなった。

「くそがっ!」


バギッ!と不良の男が、テレビにイラつきをぶつけるように踏みつけた。


ありがたい事に一話目で、感想をいただいたので短いですが早めに投稿出来ました。

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