お題:スノーボール
今回は兄・太一と同じく本編に姿を見せなかった弟・亮輔のエピソード。
「ほら、こいつには『スノーボール』が有効なんだぜー」
隣に座る友人に自慢げに話す金髪少年。
「そりゃ気付かなかった。有難う、亮輔君」
「うむ、いつでも頼ってくれ給え」
花町亮輔。姉・京子と同じく外見は父親似である。性格も兄の落ち着きより姉の快活さに近い。
「これで先に進めるよ。ホントに有難う」
「最終幻想シリーズのことなら俺に任せとけって」
亮輔はどうやらゲーム進行の指南をしていたようだった。
今回はRPGの解説だったが、京子と歳が近いのもあってか、格闘ゲーム等にも精通している。
と、その時。
「あのさー、アンタ達…」
突如部屋のドアが開かれた。声の主は……
「げ、姉貴……」
「部屋でゲームもいいけどさ、折角のいい天気だし、リアルスノーボール投げでもしてきたらどう?」
京子が亮輔達にそう提案した。
「……そうすっか。行こうぜ」
「う、うん」
ゲームもそこそこに、亮輔とその友人は部屋を出ていった。
「うーん、若いっていいねぇ」
弟と1歳しか違わないはずの京子は主を欠いた部屋の中でそう呟いた。