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お題:秋の花
「わぁ、綺麗……」
春香の口から勝手に感嘆の言葉が漏れる。
「そういやもうそんな季節なんだよな」
久と共に眺めているのは、彼の家のベランダで咲いているコスモスだ。
「『コスモス』って漢字では『秋桜』って書くんだってな」
「うん、知ってる。これでも漢字は得意な方なのよ?」
桃色の花を咲かせる可憐なコスモス達を前に、春香はさり気なく自慢してみせた。
小学校時代でも、体は弱くても勉強はよく出来た。ひょっとしたら、それが心の支えになっていたのかもしれない。
「今度、たくさんのコスモスが見れるとこに連れてってあげようか?」
「……うん!」
優しい笑みを浮かべて頷いた春香の顔は、きっとどんな花よりも綺麗だった。