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お題:窓
ここまで春香×久のエピソードばかりだったので少し趣向を変えました。
「さーて、ささっと終わらせちゃおっかなー」
雑巾を絞りながら気合を入れる金髪少女。
「こんな夜中から窓拭きとは精が出るね、京子」
「まぁね」
花町京子は、声をかけてきた黒髪男性に振り返り、朗らかな笑みを浮かべる。
「兄貴は今日も就活ですかい?」
そう、この男性は京子の兄である。名を花町太一という。
「うん、そんな所だね」
京子と違い、髪の色は母親譲り。京子とは歳が5つも離れている。まさに就活真っ只中の年頃なのだ。
「明日も学校なんだよね? いい時間に切り上げた方がいいよ」
妹を気遣う太一の言葉が京子の心に沁み渡る。
「……うん。サンキュ、兄貴。愛してる」
投げキッスを兄に叩きつけた京子は窓拭きを再開した。