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1月24日〜その後のゴンタ〜

作者: pp

 1月24日。由希は昨日の出来事が、なんだか気になっていた。(『1月23日〜夕暮れの教室〜』参照)

ゴンタに好きな人がバレてしまった。言いふらされるのは時間の問題だ。

 「星野!」

「は、ハイッ!」

不意に、先生に名前を呼ばれた。

「星野、1番の問題の答えは?」

由希は考え事をしていても、先生の質問はたいてい答えられる。

「3:9=1:3です。」

「え!?・・・その通りだ。」

そのせいで、先生が叱る予定で指名しても、後が続かないのだ。

 算数の時間が終わると、由希は自分のクラスに帰った。(算数の授業は個別でやっている)

自分のクラスでは、となりの席がゴンタだ。(つまり、かなり危険ということだ)

だからといって、話しかけるわけにもいかない。周りに大騒ぎされてしまう。

 「なあ星野。」

「!!!!!!」

ゴンタが話しかけてきた。

「昨日のことだけどさ、人に言っちゃだめだよな。」

由希は気が遠くなりそうだった。

「・・・だめに決まっているでしょ!」

「ちぇっ。」

 だめなのには理由がある。ゴンタにも好意があるからだ。

ゴンタもそれなりに好きなのだ。それなのに、バラされては気持ちも変わらなくなってしまう。

この2日間で、ゴンタのことがとても好きになったのだ。

 「・・・ゴンタ。」

「ん?」

「ゴンタのこと、好きだよ・・・。」

「え!?」

「や、やだ。私ったら、何言って・・・。」

 ゴンタの顔を見てみると、顔が赤かった。

口をポカンと開けて、教科書を取り落としている。「まったく、休み時間でよかったよ。」

そう思いつつも、今ゴンタの言おうとしていた言葉をさえぎらなかったらどうなっていたかが気になった。


 なんであんなことを言ったのだろう・・・。

給食準備の時間、由希はさっさと給食を配り終えて、それだけを考えていた。

「なあ、星野。」

ゴンタが向かい側から話し掛けてきた。

「え?あ・・・な、何!?」

由希があわてているのを見て、ゴンタは笑った。

「星野があわてている顔って、可愛いよな。」

 ゴンタが由希のことをほめたことなんて、1度もなかった。

ましてや、こんな環境でほめ言葉を聞くのはありえない。

「俺も星野のこと、好きだ・・・。」

ゴンタの顔は、りんごのように赤かった。

「星野、ちょっと来い。」


 ゴンタと由希は屋上に来た。今日は風が強い。

「こうやって屋上に居るとさ、恋愛ドラマみたいでかっこいいよな。」

由希はうなずいた。本当にドラマのようだ。

「なあ、星野。名前で呼んでいいか?」

「・・・!」

いつものゴンタはこんなこと言わない。何かおかしい。天と地がひっくり返ったようだ。

「なあ、いいのか?」

「いいよ・・・。」

 ゴンタが由希の首に右手をかけた。

「が、ガラにもないことしないで!」

由希はゴンタの手を振り払って階段を下り、教室に戻った。

少しすると、ゴンタも教室に戻って来た。


 時間は飛ぶように過ぎ、もう帰りの時間になった。

「さようなら。」

先生に挨拶をして教室を出ると、廊下にゴンタが居た。

「また明日ね。」

ゴンタにしか聞こえないようにつぶやくと、ゴンタはこっちを向いてにっこり笑った。

「ああ、明日あおうぜ!」

 その明日は、何があるのだろう。


                                                            END

次回作に役立てるので、感想くださ〜い!!!

悪い所だけでもかまいません!

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