第1話 転生者来宮みずき
俺の名前は来宮みずき。死んだはずなのだが、何故か目の前にはワンルームマンションの一室のような部屋が広がっている。
思わず「G〇〇TZかよ」と言ってみたが、「・・・。」ツッコミ不在の様だ。一人でボケた恥ずかしさを紛らわすように、周りを見渡した。
よくあるマンションの部屋のようだ。
目の前にある、レースのカーテンがかかった窓に向かい、恥ずかしさを紛らわすようにカーテンを一気に開けた。
しかし、外に広がるのは、机にこぼした牛乳のように辺り一面真っ白な世界。
何も無い。
「どこだよここ」。それしか言えなかった。
何故ここに居るのか。しかし、頭の中には鮮烈に残る「死」の記憶がある。思い出せるのはそれだけだった。
自分の名前も覚えてる。小さい頃に遊んだ物も、好きだった子も、親友の名前も全て覚えている。しかし、俺の死に対する記憶は思い出せない。
頭が混乱してきた。
「俺はどうなるんだ!ここは一体どこなんだよ!」
そう窓に向かって叫んだ。
「その問い答えよう」
後ろから声が聞こえた。振り向くと、そこには猫が居た。
いや、猫は喋らない。じゃあこいつは、、と考えを遮るように、そいつは言った。
「君が思ってるようなモノじゃないよ、ボクは」
思わずビクッとしてしまった。
(こいつ頭の中が見えてるのか?!)
「見えてはないよぉ?わかるだけだよ」と猫は言った。
「見えてるも同義だろ!」と思わずツッコミを入れてしまった。
「その元気があるなら、ボクの話も聞いてくれそうだね」
そう言うと、猫は俺に向かってスタスタと近づいてきた。
「話?話ってなんだよ、早くここから出せよ」と猫に言った。
「残念だけど、君はここから出ても今までの生活には戻ることは無いよ」
俺の期待した回答は来なかった。
「君はこれからボクの作った世界、君らに分かりやすく言うなら異世界に行ってもらうよ」
「は?どうゆう事だよ」
苛立ちをぶつけるように投げかけた。
「転生だよ、転生。君は死んだんだよ、覚えてるだろ?」
確かに俺は死んだ。しかし、その死の記憶は無いのだ。どうやって死んだのかが思い出せない。
「いや、死んだのは分かるんだけど、どうやって死んだかは覚えてないんだ。」と猫に言った。
猫は首を傾げながら、「おかしいな、なんで記憶が無いんだ?いや、そんなはずは、」とブツブツと何か言っていたが、聞こえなかった。
「それで俺は転生できるんだろ?じゃあ早く転生しちまおうぜ、猫さんよ」と言ってみたが、「いや、何かがおかしい、もしかしてあいつが、、、」とまだ何か言っていた。
「まぁいいや、ボクはフェーレース君たちの世界でい言うところの神様的な存在かな」
なるほど。ならこいつが喋れるのも納得だ
「転生するにもボクの世界に君をそのままってなると即ゲームオーバーになるからね、ボクから君へギフトをあげよう、いわゆるチート能力だよ」
テンプレのような流れだなと思ってしまった。
「むむむ、テンプレの流れが嫌なんだね?」
「いや、そんな事はないけど」
俺の言葉を遮るように猫はくじ引きのBOXを出してきた、
「ジャジャーん!君の運を試せるようにしたよ!
さぁさぁ何が当たるかは君次第!」
最悪だこのクソ猫、ランダムでなんてハズレ引いたら終わり、それこそ即ゲームオーバーだ
「ちゃんと当たりは入ってるのか?」
「そりゃもちろん!どっかの出店みたいに無くなったら足すだけじゃないよん」
「なら安心だな。じゃあ引かせてもらおう」
そうして俺はくじ引きのBOXに手を突っ込んだ
「何が出るかな?」
ニヤついた顔で猫は見ている
「よし、これだ!」
BOXから藍色のピンポン玉サイズの玉を取り出した
「おーそれを選べるなんて君は幸運かそれとも、、、」
なんか含みがある言い方だな、しかしこの能力はなんだ?
「神様よこれはどんな能力なんだ?」
「それは創造魔法だよ。」
「創造魔法?」
「そう、文字の通り想像した事を魔法として使えるんだよ。どうだい強いだろ?まぁでも他の能力の方が使いやすかったんだけどねぇー」
「いや普通に強いだろ?!使用者の創造力しだいなんだろ?」
「まぁ概ねあってるね、けど1つ注意があるよ
使用者の創造力で魔法はできるけど、強力なヤツほど魔力を消費するんだ」
「どうゆう事だ?」
「やってもらった方がわかるかな、そしたら火を出してみて」
「火?」
「使い方は創造魔法:火って感じだね」
「わかった、創造魔法:火!」
ボッっと音と共に手からライターの火のような小さな火が出てきた。
「うわ!熱くない?」
「そりゃね自分の出したやつで火傷するわけないだろ?」
「そりゃそうか、で今のはどんくらい魔力使ったんだ?」
「大体3くらいかな?君の魔力量は平均より高いね」
「なんだなら大丈夫じゃないのか?」
「いやそうでも無いんだよね、じゃあ次は致死性の毒を出してみようか」
「やり方はさっきと同じでいいのか?」
「そうだねやり方は同じだよ」
「よし、創造魔法:毒!」
頭の中で毒、ヤドクガエルを想像した
すると手のひらサイズのカエルの形をした毒が生成された。
「うわ?!」
何か大量にごっそり無くなったような感覚が身体を駆け巡った。
「今魔力が持ってかれただろ?致死性+質量が魔力の消費量になるんだ」
「なるほどな、、今どんくらい消費したんだ?」
「今のカエルは大体1000くらいだね」
「1000?俺の残り魔力はいくつだ?」
「残り3497だね」
元々の魔力量は4000なのか、気をつけないとな
「君の魔力量は高いけど消費しやすいからね気をつけるんだよ」
「魔力量って増えないのか?」
「増やす方法はあるよ、レベルアップで少しづつ上がってくんだ」
「ならレベルアップすればいいんだな?」
「そうだよ、あと一つ魔力量を増やすことができるんだけど、、あんまりおすすめしないんだ」
「なんだ?どんな方法なんだ?」
「魔力をマイナスの値まで使うんだ」
「マイナスの値?」
「例えば残りの魔力が100なのに200の魔法を使うと100が足りないだろ?そうすると魔力を補うためにHPを削って補填するんだよ」
「なるほどな」
「それがねめちゃくちゃ痛いんだよ、全身の骨が折れるみたいな痛みが続くんだよ」
「確かに進んでやろうとは思わないな」
魔力量はレベルアップで増やそうと心から思った
「さてと、君をそろそろ転生させる時間が来たね」
いよいよか、まだ色々聞きたい事はあるが
「君が倒すべき敵を伝えてなかったね。ボクの世界は今72体の魔人とその配下が、世界の3分の2を支配してるんだ。そいつらを倒して欲しい」
なるほどな勇者のようなことをすればいいと
「わかった」
「この後君はボクの世界の器となる体に入ってもらうよ、赤ちゃんスタートだとキツイだろうし君の成長を待ってる間に世界が支配されちゃうからね」
「君の行先に幸があらんことを心から願ってるよ」
「神様なのに誰に願うんだよ」
と笑いながら言った
「じゃあまたねん」
そう神は言い終わるとスーっと消えていった
神が消えると共に俺の意識も遠のいて行った、、
気がつくと目の前には木々が広がり崩れた遺跡のような所だった。
小さめのリュックのようなものの中に手紙と食料、地図、そして枝のようなものが入っていた。
「神様からの手紙か?」
手紙には食料の事と枝もとい杖について書かれていた
杖は魔力を込めると杖の姿になる特殊な木だと
「とりあえずやってみるか」
体に流れる魔力をゆっくりと込めた
すると段々と形を変え手持ちサイズの杖になった
「おぉすごいな」
あとはステータスか、
そう頭で考えていたら目の前にステータス画面が出てきた、
Lv1
ネーム<来宮みずき>
ジョブ〖魔法使い〗
状態異常
なし
レベリングからかな
「よし、まずは街を目指そう」




