第七章:オーク狩りと、若返りのホルモンパーティー
第七章:オーク狩りと、若返りのホルモンパーティー
豚は歩いてやってくる
職場での「大掃除」を終えた午後五時。
光宗さんたちの熱っぽい視線を背中に感じながらも、俺は一目散に自宅へと車を走らせた。
「悪いな、今は女より『肉』だ」
プレハブの地下三階。
そこは、これまでの洞窟とは打って変わり、巨大な切り株や湿った泥が広がる、森のような空間だった。
「ブギィィッ!」
現れたのは、身の丈二メートル近い二足歩行の豚――オークだ。
巨大な斬馬刀を軽々と振り回しているが、金スライムを経験した俺の目には、その動きは止まっているも同然だった。
個体:オーク
LV:7
体力:150 / 力:250 / 知力:10 / 素早さ:40 / 運:30
「金スラに比べれば、止まった的だな」
俺の『魔眼』と『魔物食』が、オークの全身をスキャンする。
バラ肉、ロース、タン、そして内臓……。
赤く輝く解体線が、部位ごとに完璧に仕分けられて見えた。
「よっしゃ、今夜は焼肉パーティーだ!」
腕輪で強化された力(603)をバールに込め、一気に踏み込む。
一撃。オークの眉間に解体線が走る。
二撃。アキレス腱を断ち、機動力を奪う。
三撃。喉元を正確に掻き切る。
「一丁上がり!」
それを十回繰り返した。
運320の暴力的なドロップ率が、目の前に「山」を築き上げる。
【戦闘リザルト:オーク × 10】
【通常・レアドロップ】
オークのバラ肉 × 10
オークの骨(豚骨) × 10
オークタン × 3(レアドロップ)
オークロース × 5(レアドロップ)
斬馬刀、皮の腰巻き
【特殊・スキル】
オークチラガー、オーク豚足、オークの内臓
スキル【性豪】 × 1
「……『性豪』。いや、だから今の俺には早すぎるんだって」
苦笑いしながらも、俺は全ての肉を【∞収納】に詰め込んだ。
早く帰って、火を起こさなきゃならん。
44歳、アンチエイジングの晩餐
キッチンに立ち、手際よく仕込みを始める。
今夜は豪華だ。
オークタンは薄切りにして塩レモンで。バラ肉とロースは厚切り。
そして、新鮮な内臓は自家製の味噌ダレに漬け込む。
「まずはタンからだ……」
カセットコンロの上に置いた鉄板で、オークタンを焼く。
ジューッという心地よい音と共に、芳醇な脂の香りが広がる。
「……旨い。牛タンより濃厚なのに、後味は驚くほど爽やかだ」
続いてバラ肉。
これを食うだけで力が5も上がるという。噛みしめるたびに、野生のエネルギーが筋肉に溶け込んでいくのがわかる。
そして仕上げは、オークチラガーと豚足の煮込みだ。
「コラーゲン……若返り、か」
プルプルのチラガーを口に含む。
「お、おう……! 旨味の塊だ!」
食えば食うほど、顔の皮膚が内側から押し上げられるような感覚がする。
鏡を見ると、昨日まで目立っていた目尻の小じわが消え、肌に吸い付くような弾力が戻っていた。
『通知:オーク各種部位を摂取』
『ステータス更新:全ステータスが20上昇、実年齢が1歳若返りました』
『通知:レベルアップ! LV.13 → 15』
「ふぅ……。明日、会社行くの怖ぇな」
オークロースの効果で「運」もさらに上がり、チラガーの効果で見た目も若返った。
日本酒を飲み干した俺の体は、もはや44歳のそれではなく、三十代後半の働き盛りのような輝きを放ち始めていた。
現在のステータス
名前:サトシ(44→外見実質43)
LV:15
体力:147(↑30UP)
力:628(腕輪込み)
知力:110
素早さ:98
運:375(↑55UP)
フェロモン:128(↑5UP)
【保有スキル】
魔物食、∞収納、分裂(×2)、繁殖強化、転移、スライムテイム、魔眼、クリーン、性豪




