第五章:黄金の衝撃と、至高の磯辺焼き
第五章:黄金の衝撃と、至高の磯辺焼き
運気、現実を侵食する
「サトシ君、君が助けたあの子、実は取引先の重役の孫娘さんだったんだよ!」
職場に戻るなり、社長に肩を叩かれた。迷子を交番に届けただけの善行が、なぜか会社の大型契約に繋がり、俺の手元には「社長賞」として2万円の祝儀袋が。
「運220……えげつないな。宝くじでも買おうか?」
いや、俺にはあのプレハブがある。
午後四時、仕事を切り上げ、俺は吸い込まれるようにダンジョンへと足を踏み入れた。
地下一階の異変
地下一階。いつもの青いスライムたちに混じって、一際異彩を放つ「金色の塊」がいた。
個体:金スライム
LV:99
体力:10 / 力:1000 / 知力:100 / 素早さ:50 / 運:100
「力1000!? 触れられたら即死かよ……」
だが、体力はわずか10。素早さも俺より低い。
【魔物食】が捉えた解体線は、まるで糸のように細く、複雑に絡み合っていた。
「……やるしかない。これ逃したら一生後悔する!」
シュンッ!
金スライムが弾丸のような速度で突っ込んでくる。掠めただけで腕が持っていかれそうなプレッシャー。
俺は「運」を信じて、バールを横一閃に薙いだ。
ガキィィィィン!!
金属音が響く。手応えはない。だが、解体線がわずかに綻んだ。
俺はさらに追撃、もつれる足で踏ん張り、最後の一線をバールの先端で「引きちぎる」ように振り抜いた。
パリンッ!!
金色の破片が四散し、俺の足元に信じられないほどの財宝が転がった。
【戦闘リザルト:金スライム】
【通常・レアドロップ】
スキル【転移】 × 1
スキル【スライムテイム】 × 1
スキル【魔眼】 × 1(※獲得時、魅力が100上昇!)
金スラの腕輪 × 1(※力3倍)
金スラ冷麺、金スラゼリー
【特殊ドロップ】
金餅 × 1
エリクサー × 1
「……はは、マジか。エリクサーに、魔眼……」
【魔眼】のスキルが馴染んだ瞬間、全身の毛穴が開くような感覚がした。鏡を見なくてもわかる。今の俺は、昨日までの冴えない中年じゃない。
ついでに周囲のスライム10匹を片手間で処理し、【∞収納】に詰め込んで地上へ這い上がった。
至高の晩酌タイム
「……ふぅ。疲れた」
まずは冷蔵庫から冷やしておいた「スライムゼリー」を取り出し、一口で飲み込む。
ツルンとした喉越しと共に、体力が10回復した。よし、料理する気力が出てきたぞ。
今夜のメインは、あの「金餅」だ。
「金餅の磯辺焼き、それに雑煮……。酒はこれだ」
地元・北海道の超辛口日本酒、300ml瓶の栓を抜く。
トースターで焼かれた金餅が、ぷうっと黄金色に膨らんでいく。醤油をつけて海苔を巻く。
「……いただきます」
サクッ、モチィィィィ……
「……ッッ!!」
言葉が出ない。
餅の概念が崩壊した。絹のように滑らかで、噛むたびに濃密な甘みが溢れ出す。磯の香りと醤油の香ばしさが、金餅の魔力をさらに引き立てる。
そこへ、超辛口の日本酒を流し込む。
「ふあぁぁぁ……。最高だ。生きててよかった……」
続いてスライムマロニーを投入した雑煮。マロニーが金餅の出汁を吸い込み、もはや飲み物のように胃へ吸い込まれていく。
一人で完食した瞬間、体の中から凄まじいエネルギーが爆発した。
『通知:金餅を摂取。レベルが10上昇しました!』
『通知:運が100上昇しました!』
『通知:生活魔法【クリーン】を獲得しました!』
「……レベルアップの音が鳴り止まねえ……」
金餅の余韻に浸りながら、俺はふと、∞収納の中にある「エリクサー」を見つめた。
三高。高血圧、高尿酸、高コレステロール。
……もしかして、これ一つで全部「完治」しちまうのか?
現在のステータス
名前:サトシ(44)
LV:13(↑10UP)
体力:117(ゼリー摂取込み)
力:201(※金スラの腕輪装着で603!)
知力:90
素早さ:77
運:320(↑100UP)
フェロモン:123(↑魔眼効果で100UP)
【保有スキル】
魔物食、∞収納、分裂、繁殖強化、転移、スライムテイム、魔眼(他者鑑定・催眠)、生活魔法クリーン




