第十二章:深夜の訪問者と「魔眼」の拒絶
第十二章:深夜の訪問者と「魔眼」の拒絶
招かれざる客たち
「サトシさん……外に、誰かいます」
夕食を終え、光宗吹雪が緊張した面持ちで窓の外を指差した。
プレハブの窓は、夜の闇の中ではただの暗いガラスにしか見えない。外から中の洞窟は、持ち主であるサトシが許可しない限り見えない仕様らしい。
「ああ、分かってる。光宗さんは奥にいて。俺が適当にあしらってくるから」
サトシは玄関のドアを開け、外へと出た。
そこには、三人のスーツ姿の男たちが立っていた。一見、公的機関の人間を装っているが、サトシの「運540」が警鐘を鳴らしている。
「(……こいつら、まともな連中じゃないな)」
サトシはさりげなく「魔眼」を発動させた。
【来訪者の鑑定結果】
1. 構成員A(リーダー格)
LV:5
状態:強欲、薬物耐性
スキル:【威圧】(弱者を屈服させる)
2. 構成員B
LV:3
状態:殺意
装備:隠しナイフ
3. 構成員C
LV:4
状態:狡猾
装備:盗聴器、スタンガン
「(……殺意に強欲。部長か、それともどこかの組織の犬か?)」
「佐藤サトシさんですね?」
リーダー格の男が、愛想笑いを浮かべながら近づいてくる。
「急な訪問で失礼。政府のダンジョン対策室の者です。お宅の敷地内に『特異点』があるとの通報がありましてね。少し中を検分させてもらいたい」
「対策室? IDカードを見せてくれるか」
サトシの問いに、男は懐からもっともらしい偽造カードを取り出した。
だが、今のサトシには「アイテム鑑定」もある。カードがただのプラスチック片であることを瞬時に見抜いた。
「悪いが、今日はもう遅い。お役所仕事なら明日の朝、正式な書類を持ってきてくれ」
「……おや、非協力的ですね。我々には強制的調査権があるんですよ」
男の目が細まり、スキル【威圧】が放たれた。
普通の人間なら震え上がるようなプレッシャー。だが、LV.25、銀餅で強化されたサトシにとっては、そよ風ですらない。
「『威圧』か。……安いな」
サトシは魔眼の出力を上げた。
「(……『催眠』、そして『拒絶』)」
「なっ……!?」
男たちの体が硬直する。
サトシの瞳が黄金色に輝き、圧倒的な「魅力」と「恐怖」が男たちの精神をダイレクトに叩いた。
フェロモン130は、時に暴力的なまでの「カリスマ」として機能する。
「お前たちが誰に命令されてここに来たかは興味がない。だが、二度とこの敷地を跨ぐな。……分かったな?」
「あ、あああ……っ!!」
リーダー格の男は、ガタガタと膝を震わせ、そのまま地面に這いつくばった。他の二人も、サトシの視線に耐えられず、後退りしながら車へと逃げ帰っていく。
「さっ、退散だ! ここはマズい……化け物がいる!!」
タイヤの焦げる音を立てて、黒塗りの車は夜の闇へと消えていった。
嵐のあとの静けさ
「……サトシさん、大丈夫でしたか?」
光宗さんが心配そうに駆け寄ってくる。
「ああ、ただの迷い犬だよ。……さて、光宗さん。夜も更けたし、今日はもう泊まっていくといい。ゲストルーム(元・物置の離れ)は『クリーン』で掃除してあるからな」
サトシは微笑んだ。その顔は、もはや「低所得の冴えないおじさん」ではない。
道東の小さなプレハブを拠点に、世界が変わろうとしている。
現在のステータス
名前:サトシ(44→見た目35)
LV:25
体力:297
力:2244(腕輪込み)
運:540
フェロモン:130
スキル:【魔眼】(催眠・鑑定・威圧耐性)
【∞収納】中身更新なし(消費なし)




