表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

入学式 6

 講堂にて迅とラファの激闘が繰り広げられている頃、学園長室内での零那と敵との戦いも熾烈を極めていた。


 「朝賀副支部長のガワはしてても能力は全然ちげぇわけだ」


 「当たり前だろう?僕はあくまでも副支部長、朝賀炎華になりすまして君を騙そうという目的なだけであって僕自身の能力は違うに決まっているさ」


 「それもそうか。まぁ、どうでもいいことではあるな」


 「いいのかい?僕の力が何かわからないまま闘うのは君にとって不利だろう?」


 「そんなのは誤差でしかない。御託はいいからかかってこいよ」


 「そうだね。あ、そうだ。もうこの姿でいる必要性はないか」

 「回帰(オリジン)


 敵の姿が変わる。背中からは黒い羽根が生え、少年のようなあどけない姿になる。

 その姿の変容に零那も驚きを隠せないが、放たれるプレッシャーの質が明らかに変わった。


 「これが僕の本当の姿。そして、僕達は人類に救済を与えるために活動をしている『堕天騎士団(エンジェルダスト)』だ。最後に、僕はその堕天騎士団の団長を務めている、ルシフェルだよ。今後も会うことがあるだろうから覚えておくといい」


 「ぁあ?今後があるとでも思ってんのかぁ?ここで捕らえるに決まってんだろ」

 「天圧(ハイプレッシャー)!」


 零那が持つ力は、重力操作。その力でルシフェルに強烈な圧力を加える。

 その圧力に、ルシフェルの周りは空気すらも圧縮されていく。

 そんな中でも、ルシフェルは余裕げな顔をしていた。


 「さすがは『天に至る者(テンニイタルモノ)』の異名を持つだけあるね?ただね、今回はご挨拶に来ただけだから、この辺でお(いとま)するよ?」


 「逃すと思うか?」


 「僕を止められるとでも?」


 そう言い、重力なんて関係ないかのように指を鳴らすと、ルシフェルはその場から消えてしまった。


 「ちぃっ、あれは原種の堕天使の可能性があるな。日本において並ぶ者なしと言われてる炎使いの朝賀を倒した上で、アタシの重力を抜け出せるんだ。……とりあえず講堂に急ぐか」


 零那は1度ルシフェルのことは隅に置き、講堂へ加勢に向かう。



 ルシフェルが学園長室から消え、次に現れたのは講堂だった。

 対峙する迅とラファの間に突如として現れる。


 「誰だテメェは」


 警戒心を顕にする迅とは対照的に、ラファは畏まっていた。


 「る、ルシフェル様!?どうしてこちらへ」


 「ん?だって、今回は挨拶回りなだけだからね?僕達の力を知ってもらうためのデモンストレーション。それも完了したところだし、城へ帰るよ」


 「はっ!わかりました!!」


 そのまま、何もなかったかのように去ろうとする2人に、迅は憤る。


 「随分なご挨拶だなぁ?こんだけ引っ掻き回しといてタダで帰れると思ってんなよ?」

 「雷刃(らいじん)


 一瞬で間合いを詰めた迅の最速の一撃が炸裂、する直前でルシフェルの羽根に止められる。

 だが、止めたルシフェルの表情は驚きを見せていた。


 「へぇ、この学園で警戒すべきは副支部長の朝賀炎華と学園長の天堂零那の2名だけだと思っていたんだが、こんな少年がここまでの力を秘めていたとはね、想定外だ。君ともまた出会うことがありそうだ。……ルシフェル、この名を覚えておくといい」


 そう言い残すとまたしても指を鳴らし、ラファと共に消え去ってしまった。

 それと時をほぼ同じくして、変わり果てた講堂に零那が到着する。


 「大丈夫か!!……って迅、お前ド派手にかましすぎだろぉ?」


 「違うっ!ここ壊したのはラファとかいうよくわからんテロリストだから!俺じゃねぇから!!」


 「本当かぁ?迅はそういう加減が聞かないタイプの人間じゃないか」


 「それは、いつもの話だろ!?今日はちげぇ!!」


 「まぁ、とりあえず取り逃したとも取れるが、撃退したともいえる。よく頑張ったな、迅」


 「へへん、ざっとこんなもんだろ」


 「アタシが鍛えたんだから当たり前か」


 ねぎらいの声をかける零那と、それに応える迅。そんな2人に後ろから声をかける存在がいた。


 「か、風早君は一体……何者、なんですの?」


 「ん?えっ、氷室さんなんでここに残ってんだよ!?怪我とかない?全員いなくなったと思ってたから周り気にせずブッ放してたのに」


 「私は何もありません。それよりも風早君、そして天堂学園長。この状況を説明してもらえませんか?」


 「えっ、ちょっ」


 迫りくるのは千冬の圧だった。

 その熱量に、迅と零那はごまかすことを諦めるしかなかった。

読んでいただきありがとうございます!


「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!

していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません!

ぜひよろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ