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入学式 3

 テロリストの侵入を確認し、伝達を行った零那は、鎮圧へと向かおうとしていた。


 「まさか、このタイミングを狙って突撃してくるような輩がいるとはな。考え無しの無能か勝てる算段を持った有能か……」


 そのタイミングで、学園長室の扉が開かれる。


 「天堂零那。君にはここに留まってもらうよ」


 「ぁぁあ?朝賀副支部長……じゃ、ないな?いつ入れ替わった?」


 「ほほう?初見で気付くとは、さすがは日本で5本の指に入る実力者だね」


 「御託はいらないんだよ。こっちの質問に答えろ?」


 「そう気を張るなよ?焦りは何も生まない。まぁ、答えようじゃないか。君の予想通りついさっきまでは本物だったよ。入れ替わったのはサイレンがなって君がいなくなった瞬間だ」


 「なるほど。それはアタシが気付かねぇなぁ。不覚を取ったか」


 零那は悪態をつきつつ気持ちを切り替える。


 「とりあえずは、お前を倒さないことには本物の朝賀副支部長は戻ってこないしこのテロも片付かないわけだ」


 「僕を倒せるのなら、ね?」


 不敵に笑う朝賀の偽物との戦闘が静かに開幕した。



 零那からのテロ発生の報からしばらく経った講堂内。

 不自然なほど静かな時間が続く中で、徐々に緊張感が薄れていく。それは、迅の隣に戻ってきた首席の千冬も同じだった。


 「テロって言ってたけど、特に何も起こらなさそうですね」


 ただ、迅はむしろ警戒心を強めていた。


 「いや、むしろこれは良くない状況だろ」


 「え?」


 「学園長の放送からしばらく経ったのに学園長自身が戻ってこない。しかも今だから言うけど、副支部長?がこの場から消えてるんだよ。おそらくこの場だと1番立場が上で、かつ実力者であろう人がここにいないってことは、テロリストに与してるかやられてるかの2択だろ?そう考えたらこの状況は……」


 「朝賀副支部長は消えて学園長が足止めされてる……ってことですか?」


 「そういうことだな」


 「なぜ、なぜ貴方はそんなことがわかるのです」


 「端的に言うなら……経験の差、だな」


 その言葉に、千冬は先ほど迅から感じた圧を思い出す。


 「貴方は一体、どんな経験をされてきたので……」


 千冬の問いは、最後まで紡がれなかった。

 入口を警戒していた教師達を嘲笑うかのように、相手は講堂の天井をぶち抜いて侵入してきたのである。

 誰にとっても想定外の方法で突入されたことにより、全員の動きが数瞬の間止まってしまう。

 一度相手に先手を取られてしまえば実力差がない限り戦況を覆すのは難しくなってしまう。

 それを理解している教師陣は、すぐに行動を開始した。

 だが、止まった数瞬という時間は、今相対する相手に対しては致命的な差であった。


 「聖導騎士を目指す雛達が揃ってますねぇ?まぁ、キミ達の未来はここで閉ざされるわけですけどねぇぇえ!!」


 砕け散った天井から降りてきたのは1人の青年だった。


 「少しは楽しませてくださいよぉ?」


 惨劇が、始まろうとしていた。

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