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入学式 1

 聖導騎士連盟日本支部・支部長室


 「……そういえば、今日は騎士学園の入学式だったか。()()()も入学だったな」


 「あの子、と言いますと横浜校学園長が目をかけていたあの?」


 「そうだ。天堂学園長が育て上げたと言っても過言ではないからな。次世代のこの国の希望となるか、芽も出ないままに潰れるか」


 「そんな力を有しているのですか?その子は」


 「あぁ。入学前の時点で既に自分の能力を覚醒させているようだからな」


 「齢15で既に覚醒ですか」


 覚醒とは、各人が発現させた能力をフルで使用できるようになっている状態のことであり、本来は学園にて能力の使い方を学んだ上で一部が到達する領域である。

 しかし、覚醒したからといってそれは使用できる状態なだけであり、実際に能力を行使するためには能力者自身の力が必須となる。


 とはいえ、本来学園に入学して卒業までに覚醒に至れればいいものを、入学前から覚醒状態にしている迅は期待されるに値する存在である。


 「そういうことだ。ただ、残念なことに私は今回は神戸校にて挨拶を述べることになっている。横浜校の挨拶は任せたぞ」


 「ええ、私にお任せくださいませ」


 日本支部長、氷室 冬夜(ひむろ とうや)と、副支部長である朝賀 炎華(あさが えんか)は、軽く言葉を交わしそれぞれの目的地へと向かう。


 この後学園を襲う凶事にまだ、誰も気づいてなどいなかった。



 午前11時。日本騎士学園横浜校では、定刻通り今年度の入学式が幕を開けた。

 人の流れに身を任せた結果新入生の中でも最前列に着席することになってしまった迅は、ソワソワしていた。


 「やっべぇ、なんでこんな目立つところに座っちゃったんだよ俺」


 そう、迅は基本的に遠くから周りを見ていたいタイプの人間であり、そんな迅にとってこの状況はとても居心地が悪かった。

 ただ、そんなことも言ってられないのでそのまま式が終わるのを待っていた。


 長々と続く来賓挨拶。思わず迅の口から愚痴がこぼれる。


 「この無駄に長い話なんとかならねぇかなぁ」


 誰にも届いていないと思ったこの独り言を、1人の生徒が聞き逃さなかった。


 「……貴方。この壇上でお話しいただいている錚々たる面々を前にして、よくもそんなことが言えますね?」


 「……んぁ?」


 突然隣から話しかけられた迅。気の抜けた返事しか出せなかったけれど、その返事にさらに隣の生徒は怒りを増していた。


 「なんなんですかその気の抜けた返事は!!!それでも日本の誇り高き騎士を目指すものですか!!」


 「そう言われてもさ、俺からしたら知らない人ばっかだし……君も知らない人の話延々と聞かされても疲れるだろ?確かに口に出したのは俺に非があると思うけど、そこまで言われる筋合いはねぇな。しかも俺のことを知らないやつに」


 「……っ!?」


 しつこく突っかかってくる相手に少しだけキレてしまった迅は思わず圧をかけてしまった。その圧に軽く気圧されてしまった生徒は、驚きの表情を浮かべたまま席を立ってしまった。


 「あ……無駄な圧かけちまった」


 壇上では今話し始めたばかりの学園長である零那が苦笑を浮かべるのだった。

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