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味噌汁

作者: 大石次郎

熱が37,1度ある。微熱だ。幸いコロナじゃない。

会社も休んでるから本当は家で大人しくしてなきゃならないワケだが、


「辰雄。ウチ、熱が37,8度ある。コロナじゃないけど、死にそう・・タチケテ」


彼女からの決死の電話っ! SNSじゃない、電話っ!! そしてその風邪、たぶん俺のせいだ!!!


「うぉおおおおーーーーっっっ!!! 裕子ぉーーー!!!!」


看病せねば! 幸い彼女のマンションはわりと近く、車やタクシーで移動する程じゃないっ。


SNSで追加で確認を取ると、固形物はキツいが味噌汁を飲みたいらしい。


「よしっ」


俺はインスタント味噌汁カップと桃缶とスポドリをリュックに詰め、厚着にカイロ、額にはひんやりするシートを張り、マスクをして、部屋から出た。


一階の自動ドアから出ると、外気っ!


「寒っ?!」


え? 地球こんな寒かった?? 冬じゃないよな。全身の悪寒に縮み上がりながら、俺は通りを歩きだした。


本来なら15分程度だ。だが、遠い!


「はぁはぁはぁ・・裕子に、はぁはぁ、味噌、汁を・・」


フラつく! こんなにもっっ。君と俺にはっっ、こんなにも物理的距離があったのか・・


しかし裕子のマンション前に、たどり、着いた!


「うっ、吐きそうだっ。だがっっ、まだ終わらんぞっ?!」


俺は朦朧としながら、オートロックへと歩みだした。



・・気が付くと、俺はベッドにいた。味噌汁の匂いがする。


「あっ! 起きた辰雄っ。良かった~」


裕子がカップ味噌汁をほっこり顔で飲んでいた。桃缶も開けてる。


「来ていきなり倒れちゃって、もうちょっと様子見て悪そうなら救急車呼ぶとこだったよぉ」


めちゃ寛いでるけど?


「この味噌汁美味しいね。辰雄も飲む?」


「うっ・・まずはスポドリ、お願いします・・」


結局、俺が味噌汁を飲めるまで回復したのは翌朝だった。


教訓、風邪は治りかけが怖く、裕子はわりと頑丈。トホホ・・

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