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魔獣が魔法学院にくることは許されますか?  作者: ソウヤ
一章 不思議で普通な学園生活
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19

先週インフルエンザで寝込んでたので投稿できませんでした。今週からまた頑張ります。

そのせいか今回は非常につまらない回です。(いつものことかもしれませんが。)

魔獣達は慌てていた。いや、むしろ慌てないほうがおかしいぐらいだ。一部のものを除いて魔獣全体に衝撃が走った。虎隊のボスが任務を失敗し、撤退してきたというのだから。しかも宣戦布告の任務のほうではなく、初級の魔法使いの捕縛に失敗したということで緊急会議が召集された。


ガルドラも召集された。狼隊で3番目の実力者なので召集されてもおかしくはない。狼隊のボス、デルドアと共に会議の場へと向かう。

扉を開けて会議場へと入るとそこの空気は二分されていた。二分とはいっても9:1ぐらいのかなり偏りのあるものだったが。

10分の1の空気は緊急会議を緊急のようにあわてふためきながら来ている虎隊の数名が発している空気だ。では残りの90%近くは何かというとこの事実を前もって分かっていたかのような冷めた空気である。会議をよくも悪くも「会議」として捉えているものたちが発している空気だ。

「遅いな。デルドア。」

中央のみるからに高そうな席に座っているのは魔獣界No.2であるギレイ。今回は王であるバルトロの代理で来たようだ。

「まだ開始時刻の5分前だぞ?」

「緊急会議なら10分前ぐらいには来て欲しいものだな。」

「急いでいるのであればさっさと始めるか?」

「そういうことだ。」

全員が着席すると会議がはじまった。着席とはいったものの大多数のものには椅子ではなくクッションが用意されているのだが。

「さて、議題はいうまでもないだろう。今後の軍の方針についてだ。ではまずなぜこのようなことになったのか虎隊のフレイリーから説明してもらいたい。」

ボスのザグルはもちろん療養中なので代理として虎隊ナンバー2のフレイリーがきている。

「これに関しては我々は平常運転で任務を遂行しておりました。調査の結果、虎隊の組織内に問題は確認されなかったたためターゲットにしていた彼女らの実力が想像を超大幅に上回っていたものと思われます。」

フレイリーが早口で述べる。会議の緊張とボスがやられたことの動揺で人によっては聞き取れない速さの早口を実現していた。

「想定内だったわよ。私たちにとっては。」

猫隊のボス、ネルシャが淡々と事実を告げる。

「えっ!?どういうことですか!?」

「あなた達虎隊だけ進歩に取り残されているわ。ザグルの頭が固いせいでね。魔獣軍の改革宣言を行ったのに改革していない様をすぐに披露するとは思ってなかったけどね。」

「確かに虎隊の戦力が他二隊より明らかに低いのだ。」

デルドアも同調する。

「パワーだけで押しきる戦術はとっくのとうに昔だ。今の虎隊の実力ではガルドラを倒せるかすら怪しいぞ。」

フレイリーが首をうなだれながら答える。

「要は特に緊急会議を開く必要はないってこと、ですか…?」

「私たちしてはそういう意見ね。虎隊の実力の低さが出ただけ。初級のなかでもかなり強い子たちであることは事実だけど私たちがターゲットにするってことはそういうことでしょ?」

「…はい…。」

フレイリーはもう言うことはないというように腰を下ろす。

「…では特に方針の変更はないということでいいか?」

ギレイの言葉にほぼ全員が賛同し、会議は終了した。


「…ルナだったか…。」

病室、面会できるようになったザグルのもとを俺ーガルドラは訪ねた。

「知り合いなのか?」

「人脈ってのは非常に大事だからな。俺たちから離れている魔獣もそこそこ把握している。」

「ほう、ルナって奴、魔獣なのになかなか魔法のコントロールが繊細だったが?」

ザグルは俺たちが魔流操作を使えない状態しかしらないのだろう。実際虎隊はそのせいで失態を晒すことになったわけだが。

「魔流操作だよ。ザグル。魔獣であっても繊細に使える数少ない魔法の一部。これでコントロールを可能にしている。」

「…どおりでお前らは…。」

「俺たちは隠す気もなかったけどな。お前が意地をはって聞こうとしなかった。」

ザグルの怒りのボルテージが目に見えて上下したのが分かった。癇癪を起こしやすいやつだ。

「いっておくがお前のその癇癪で虎隊は多大な影響を受けているぞ。実力格差にせよ、まわりからの評判にせよ、あまりいい待遇を受けていない。労働環境として軍のなかで一番劣悪なんじゃないか?」

ザグルの全身に力が入る。

「帰ってみりゃ分かるさ。これが事実だってことを。今俺とやりあうかはお前の自由だがな。」

「相変わらず口が達者だな。1ヶ月後俺のところに来い。てめーとやりあう。」

「別にいいが、後悔するのはお前だぞ?」

「ふん。構わん。」

…せっかくアドバイスをしにきたというのに。こちらはただの善意できているんだ。なぜこんなことになるというのか。…もうこれ以上成果はなさそうだな。見舞いの品だけおいて俺は病院をあとにした。


「…っ…!」

なんでこんなことになってるんだよ!今だったら任務の成功率が上がるって聞いて動いたのに…。こんなやつに見つかるなんて…。

バンッ!

追撃が相手の銃口から放たれる。既に撃たれた右腕の痛みで避けられるはずもなく、見事心臓に命中した。

「魔獣達が行動を活発にすると聞いてな。ちょっとみてみたらこんなすぐに捕まるとは。正直想定外だ。」

こいつはデルドアさんでもまずいかもしれない…。遠くから狙撃されたらどうなることか…。

ぐっ…。俺もここまでか…。

このメッセージだけでもガルドラさんに…。

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