旅の始まり
そして翌朝。
彰人はかなりいいベッドで寝たせいか、やけに目覚めがよかった。
そして彰人は身支度をしようと、昨日イアスからもらった、霧風を背中の鞘に収めた。
彰人は持ち物はそれしかなかったので、騎士団本部の正門に向かった。
そこではイアスが手ぶらで、「お前剣しか持ってねぇだろ、旅の前に買い物行くぞ」
と言ってウルクの城門から王城へとまっすぐ伸びている商店街を王城側から回って行った。
そしてまずイアスは、[冒険グッズ店]という看板が出ている店に入り、
「この中から好きなバッグ選べ」と言って店の隅に行って腕を組んだ。
そして彰人が「コレ」と言って小さめのショルダーバッグを指を差すと、イアスが、「んじゃこれで買ってこい。」と言って、イアスのポケットから金属が擦れ合う音がする袋が現れ、彰人に向かって放り投げられた。
それを見て彰人は、
「お前ってさ、結構金持ちなの?」
と、イアスに人間なら誰もが持つであろう疑問をぶつけた。
それを聞いてイアスはめんどくさそうな顔をして
「仕方ねぇな、後で教えてやる。ほら買って来い」
と言って首を店員のいる方に振った。
そして彰人もそれを見て、店員のいる方に向かい、イアスから貰った袋を渡し、ショルダーバッグを見せた。
そして、店員も袋を一度まじまじと見て、頷き、「ありがとうございました。」と丁寧に一礼した。
そしてイアスは「よし、次いくぞ。」と言って店を出た。
そしてイアスが次に向かったのは[薬品店]という看板が出ていた店に入って行った。
そしてイアスは、「転生者はレジェンドスキルだけを付与されてこの世界に呼ばれると聞くが?」と言ったので、その続きを予想し、彰人は「自然治癒能力だよ」と言った。そしてイアスはなるほどという顔をした。
そしてイアスは店の中を見て周り、10個の様々な色の瓶を店員に見せて、先ほどと同じ様な袋を出し、こちらに戻って来て、一つずつ丁寧に薬品の効果を説明し、「バッグ貸せ」と言って、彰人がバッグを渡すと、割れない様に梱包された薬品を丁寧に詰め込んだ。そしてイアスは彰人のボロ靴を見て、店を出た。
そしてイアスは次に、[靴屋]という看板が出ていた店に入り、[運動靴コーナー]と書かれた棚に向かい、
「ここから好きなの選べ」と言ってから数秒して「俺は武器屋行ってるから好きなの買って来い」と言ってまた金属が擦れ合う音がする袋を残して、店を出て行った。
そして彰人は一人残され、グリップ機能付きと表記された黒い靴を選び、袋を店員に渡して、店を出た。
そしてイアスがいっていた武器屋を探し、騎士団本部の正面にあった店に入った。
その中でイアスは、大量の爆弾を買って店を出て、「一回騎士団に戻るぞ。」と言って騎士団本部の武器倉庫に入って行った。
その中で、大量の矢がどこからか現れ、矢が収納されている場所に納められた。
次に、爆弾が大量に置かれている場所に、先ほどの爆弾を置いて、彰人がしっかり買った物を身につけていることを確認すると、「よし、いくか」と言ってウルクを出た。
そして初めて会った方の森に向かうのではなく、まっすぐ伸びていた道路を直進し、彰人に先ほどの質問の答えを言った。「あれは騎士団の金だ、戦術長ってのは武器も揃えなきゃなんねぇからな。」と言ってから、
「お前、この世界の知識ほぼないよな?」と言って、彰人は「うんまぁ」と答えた。
するとイアスは、「じゃあまずさっきの立ち合いについて説明してやる。っても俺のスキルについてだけだがな」
と言って、それについての説明を始めた。
「でな、スキルの階級くらいは知ってんだろ?」という質問を彰人に投げかけてきたので、彰人はうなずいた。それを聞いてイアスは、「じゃぁまずコモンスキルについての説明だ、あいつはほぼ使えねぇ、この世界の全員が持ってるスキルだ。」と話し始めた。
「だが俺の場合はちょっと事情が変わってな、あくまで触媒は必要だが、その触媒をもとに、強めの念力を使えるってスキルでな。俺が弓から放った矢をきっかけに他の矢も動かせるってスキルになってる。まぁ事情は複雑だが、スキルの応用だ、お前も鍛錬すればできるよ」と言ったので、また彰人の脳裏に疑問が浮かんだ。
そして彰人は「質問いいか?」と言った。
それを聞いてイアスは、「なんだ?行ってみろ」と言ったので
彰人は、「俺のコモンスキルってなんだよ?」と聞いた
それを聞いてイアスは「まぁそうだよな、それじゃそれはまた後で、」と言って
「次いくぞ」と言った、それに対して、彰人は「うん」と答えた。
それを確認し、イアスは次の説明に移った。
「それで俺のレアスキルだ、俺のレアスキルは気体の物体化。正直言って俺のマナ量だけでは1日で30本が限界ってレベルだ。」そこで彰人は、「だから弓とか矢が勝手に出てくるんだな!」と謎が解けた!という風に相槌をうった。
イアスは「そうだ。」と言って説明を再開した。
「自身だけでは限界が近い、そこでこの弓の出番だ」と言って弓をレアスキルによって実体化させた。