大冒険の始まり
そして彰人は事実上[死んだ]のだった。
そしてそこから彰人の意識は飛んでしまう。
ーーーそして目覚め、ふと目を開けるとその空間は真っ暗い。
自分の姿さえ見えず、まるで日光が何かに全て吸収されているようだった。
そんな時どこからともなく聞いたこともない声だけが聞こえる。その声は自分に語りかけ、
「異邦の来訪者よ、貴様は一度死んだ。その事実は認めるな?」
その声を聞き取り彰人も返す。
「ああ、俺は間違いなく死んだ。多分な、それでここは地獄か。」
そう彰人は口にする。すると聞いたこともない声はこう答える。
「地獄とな?笑わせてくれるな。ここはそうだな試験のようなものだ」
試験ってなんのだよ...っと思ったがそれを聞くのはなんだが自分があまりにも無知すぎる印象を持たれてしまう気がしたので聞かなかった。なので代わりに、
「それで内容は?」
と軽く、しかし丁寧に、問いかけた。
すると聞いたこともない声は
「私の質問に3つ答えるだけだ。それで早速内容についてだが、」
彰人はどのような内容なのかとごくりと唾を飲む、だがその内容は期待外れがすぎるほど簡単で彰人もそれは拍子抜けと思い、少し呆れてしまった。そして肝心のその質問の内容は、
「お前は次生まれ変わるとしたら何になりたい?3択だ、天才か、バカか、普通か」
彰人は迷うことなく答えた
「天才だろ。当然だ」と答えた
そしてしばらくの沈黙ののち、
「よし気に入った合格だ、それでは来世、そうだな、今のとは全く違う世界、平和ではないがお前らの世界ほどの化学もない世界に転生できるとしたら、どんな力が欲しい?お前は」
と彰人は聞かれた
その一連の相手の発言をその質問意味ある?などと思うところあったが、まぁ気にしないと無視をし、まず相手の質問に答えようとしばらく考え、意外とすぐに結論を出した。
「自分の傷の治癒能力!やりたいこともできなくなったからなあれのせいで」
そうしみじみと思い出す様に口にした
すると聞いたこともない声は嘲笑し、若干ヘラヘラした口調で、
「戦闘能力じゃないの?致死量は治せないよ?」
そもそも...と思い、彰人は問いかける
「お前さ、そんなことほんとにできるのかよ?大体そんな世界あるの?」
いい加減聴き慣れてきた聞いたこともない声はこう答える
「そうだなそちらの世界で少し偉くてな...名前は言えない善者ではないのでな、そして世界の話だがこんなことお前らの世界ではないだろう?」
この様にいかにも当然だろ?と言った口調で答えた。まぁそれは納得する他になく、
「ああその通りだそれで最後に質問だ」
そして聴き慣れてきた声は、なんだか寂しそうに、しかしとぼけた様な声のトーンで
「いいだろう、最後なのは事実だと認め難いが、いつまでもこのまま話してはいられないのは事実だ。して、質問は?」
そしてその声が喋り終わると間髪入れずに
「戦闘能力ってあっちの世界では戦闘は必須科目なのか?」
その話が出るとその声は急に低いトーンで
「当然だ、お前の世界では物語と言う文化があるだろう?それのバトルファンタジーとか言うジャンルの様な世界だ。」
それを聞いて秋との頭の中に唐突な疑問が浮かび、それと同時に忘れていた質問が出てきたなのでとっさにその声が
「それでーー」
と言いかけたところで、
「ちょっと待った!」と叫び、その続きを制止した。
するとその声もなぜかはずんたトーンで
「なんだ?」
と問い返す、そして自分も落ち着き彰人は
「二つ質問が!まず一つ!なんでこっちの世界とか言って俺が死んだ世界の文化とか知ってるんだ?」
そう質問すると聴き慣れてきた声が思い出した様に喋り始めた
「そう言えばそうだな。その話はしていなかった。」
すると3秒ほどの沈黙が続き、その静寂はその声によって絶たれる
「この様なことはお前が初めてではない。これでわかるか?」
すると彰人はあぁ察したと言ったトーンで、
「なるほど、」
と相槌をうち、それに続き、
「二つ目の質問だ、戦闘能力の会得はあちらでもできるだろ」
するとあの声は、
「うん複雑でな。スキルには階級があってな。私がお前にくれてやると言うのは最上級のスキル、レジェンドスキルだ。それ以外で会得できるのは、レアスキル、もしくはコモンスキルだ。まぁ名前で察しろめんどくさい説明が」
と教えてはくれたが雑な回答ですました
彰人は、雑だな...と言おうと思ったが、喉あたりまでその言葉が上がってきた地点で一度その言葉を押し戻したのだった。そして一言、
「ありがとう。それなら治癒能力で構わない。」
と口にし、その声もその他説明を済まし、
「俺のもとにたどり着き、殺せば、この世界の王位に着かせよう。」
と誇らしげに口にすると、彰人の意識はそこから飛んでいた。
ーーーーまたかなりの時間が過ぎ去った。
目を開けて、光をこの目で捉えたときには、背中に剣と、なんかいかにも冒険者って具合の服を着て、どこのとはしれない自然豊かな森の中で寝っ転がっていた。
起き上がり、深く息を吸い、力強く
「行くか!」と独り言だけど、少し大きめな声で呟いた。
この瞬間から彼の大冒険は始まったのだった。