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ヒーローズロワイヤル  作者: ガトリングレックス
18/18

最終回 ヒーローに祝福を

絶望感がジュンを襲う。


今まで戦っていたのは自分の意思だった。

違う、ゲームマスターを倒すために可変された人生。


パワーアップできたのはベルトのおかげ。

違う、すべて作者の都合による進化。


カミーユとセイギの出会いは偶然。

違う、すべては作者によるシナリオ通り。


それを知った時、セイギとカミーユを失望させたんではないか?


その考えが複眼から涙を流させる。


(俺はただの操り人形…………あぁそうか…………ヒーローって言うのは必ずシナリオがあるんだ…………それだけ分かれば…………俺は…………)


なにかに掻き立てられるかの様に、全身を爆裂させ、ゲームマスターに突っ込んで行く。


「ジュン! 早まらないで!」


「無駄なことを」


ゲームマスターは時を止め、少女を浮かせたまま、ゆっくりとジュンに近づく。


だが、カミーユは動き出し、マシンガンを連射する。

ゲームマスターの体は風穴が開くが、すぐに塞がる。


「そんな」


「所詮貴様らでは私には勝てん」


そう言って、右足に黒きオーラを纏い、ジュンに向かって強烈な回転蹴りを繰り出す。


その後浮いている少女を抱き直し、「ジ・エンド」と口にした。


時が動き出し、ジュンは激痛に悶え、爆散する。


「ジュン!」


ジュンに駆け寄るセイギ。

変身が解除され、傷だらけの戦友を抱き抱え、何度も「ジュン!」と叫ぶ。


「うるさいぞ…………セイギ…………俺はヒーローなんかじゃない…………ごめんな…………騙してるみたいで…………」


「そんなことないよ! 君はヒーローだ! 戦友だ! だから死なないでよ!」


「だから…………うるさいんだよ…………せっかくヒーローになれたんだ…………最後はカッコよく死なせて…………くれ…………よ…………」


ジュンの目が閉じ、力が抜けていき、死亡したジュンに、セイギはゲームマスターに対して怒りを爆発させた。


「許さないよ! 君は俺の仲間を殺した! 殺してやる! 絶対に!」


「所詮はダークヒーローのなり損ないか。いいだろう、すぐに貴様も世界に忘れさせてやる!」


時を止めようとしたその瞬間、少女に異変が。


「ウッグ!」


苦しそうに息を荒くし、暴れ出す。


「どうした? どこか痛いのか?」


ゲームマスターが心配そうに少女を見つめると、腹に次元の裂け目ができ、黒き怪物がライトノベルを持って出て来た。


白い2本の角、頭の真ん中にイナズマの様な白い傷、すべての者を威圧する白い複眼。胸下に埋め込められている白き宝石、背中にはカブトムシを思わせる羽、腕から放出する白いビームカッター、足と一体化しているギアが搭載された白く鋭いレッグトリガー。


「久しぶりだな、セイギ」


「「ストロンギスト!」」


セイギとトランスフォームの言った黒き怪物の名前。


「誰だ貴様は?」


「俺の名はストロンギスト。最強の暗示だ」


「最強だと、ふざけるな、最強はこの私だ!」


時を止めようとするが、止まらない。


「今、お前からすべての力を破壊した」


「なに、そんなバカな!?」


「ストロンギストは誰にも負けない、なぜならデビルの力をほぼ使えるからねぇ」


「お前の計画もここまでだ。いくぞセイギ、トランスフォーム。復讐の時間だ!」


ストロンギストはレッグトリガーのリミッターを解除、トランスフォームは「パワー」と叫び、セイギを赤き戦士へと変化させる。


ゲームマスターは死を悟り、少女をカミーユに投げ渡す。

慌ててカミーユはマシンガンを地面に落とし、キャッチした。


「これで、すべての特撮が終わる! すべてなぁ!」


ダブルドロップキックを繰り出すセイギとストロンギスト。

ゲームマスターの心臓部に命中し、爆散させた。


「安心しろ。今『特撮が終わる』を破壊した。そしてセイギ、『ヒーロー達の死』を破壊した。これで、みんな無事に帰れる。俺達以外はな」


「ありがとうストロンギスト。じゃあね、ジュン、カミーユ、今までありがとう、さようならー」


こうして特撮ヒーロー達の世界はすべて救われた。

3人のダークヒーローによって。



その後、現実世界に戻ったカミーユは知ることになる。

白い髪の少女は、とある小説に出てくる悪魔、通称デビルと言われている存在、ストロンギストを召喚するために描かれたキャラ、つまり我々が勝利するためだけに生み出された存在だったのだと。

基地に帰ってきて、カミーユが1番最初にやったこと。

それは…………


ジュンとセイギ、そして自分が笑顔で笑って立っている絵を描くことだった。

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