第15話 デスコントロール
走り出してから1分ほど、森の中、殺し合いをなんとか避けてきた3人だが、死神の魔の手が忍び寄ろうとしていた。
ジュンには分かる。
死神の走るその音が………
「追い回すのはここでフィナーレにしよう。まったく、俺としたことが、まさか進化するとは知らずにほっといたのが間違いだった。さっさと始末してこいつらを魂にしてしまおう」
『ソルジャー06………ヘンゲンレッド………ポリスピンク………』
死神の声と共に酷くガラガラな男性の機械音。
(待て!? まさか俺達にジライヤとメグを戦わせるつもりか!?)
死神は知ってか知らずか、棒状の物で空を切る。
ジュン達の前に立つ3人のヒーロー。
立ち止まるセイギとカミーユ。
「またこいつらかぁ。ジュン、倒しても良いよねぇ」
「………」
「ジュン?」
セイギの質問に口ごもるジュンは、「下ろしてくれ」と言う。
それに対してセイギはコクリと頷き、ゆっくりとジュンを下ろす。
「俺は赤いのとピンクのを倒す。あいつらは元々俺の仲間だった。葬いをさせてくれ」
「そんな感情論で行動しないでください! 1対1で戦えば私達なら簡単に倒せます!」
「じゃあ俺はあのガトリングを持ってる奴を倒すねぇ」
軽いノリで黒きパワードスーツを装着し、ガトリングガンを構えているヒーロー、ソルジャー06に向かって加速して行くセイギに、カミーユは驚きながらも、走りついて行く。
「ちょっと! 先走らないでください!」
これで邪魔する者はいなくなった。
「さあ、お前達の行くべき場所に帰してやる」
ジュンは拳を作り、ジライヤとメグに襲いかかる。
ハンドガンを構えるメグはジュンに向けて正確に射撃する。
だがその装甲は硬く、ビームが弾かれる。
刀を振るい、ジライヤは刀のトリガーを弾く。
するとカエルの舌の様に刀身がうねうねと長く伸び、ジュンに向かって剣先が襲いかかる。
しかしその程度の攻撃ではジュンの複眼を惑わすことはできず、爆裂する左手のチョップで粉砕する。
刀を捨て、拳を唸らせようとするジライヤ。
「オリヤーーー!」
ジュンが繰り出す拳は復活させられた2人を葬ることしかできない。
(俺はお前達ともっとこう、平和な国で会いたかった。こんな戦い、絶対に終わらせてやる!)
拳はジライヤの腹に命中、大きく吹き飛ばされ、爆死した。
「次はメグ、お前だ」
自分達を戦わせた死神に怒りを覚えつつ、メグに右手をかざす。
すると突然メグの体が爆裂し、悲鳴を上げながら爆死させた。
「許さない。姿を表せ! 聞こえてるんだよ! お前の独り言は!」
怒りが爆発したジュンに死神は高笑いを上げる。
「俺はそんな簡単に姿を見せるようなバカではない。今度はこいつらだ」
『クロス………ブライ………』
「もっと俺のテーマパークを楽しんでくれ」
死神がソードガンを振ろうとした。
次の瞬間!
なんと突然死神の体が爆裂し始めた!
「なに!?」
「だから言っただろう。聞こえてるんだよってな」
「お前!? 最初から俺の位置が分かっていて!?」
驚きの声を上げ、間抜けにも木の裏から姿を表した。
紺色のローブを着ており、顔は頭蓋骨を模している。
その姿はまさに死神。
ソルジャー06をセイギとカミーユはダブルドロップキックで葬り去り、地面に着地する。
燃える音に気がつき、後ろを振り返る。
「こいつが今までヒーローを復活させていた元凶だ」
爆裂している死神に、カミーユは慌てて火を消しに向かう。
「だっ、大丈夫ですか!?」
「ほう、お前を殺そうとしている男を助けるのか?」
「あなた達に死んでもらっては困る人達がいるんです!」
「そんなこと知ったことか! 俺は生き残れればそれで良い! 思い知れ! これが俺の真の姿だ!」
死神の叫びに答え、すべての魂がソードガンから体に吸収されていき、その姿を表す。
ローブは消え去り、代わりにさまざまな頭蓋骨が浮き上がってくる。
その禍々しい姿はまるで妖怪だ。
「俺の名はネクロール! 死神と死霊術師のハイブリッドだ!」
突如として奪牙が持っていたドラゴンの剣と、スペリガンのビームサーベルを取り出し、カミーユを斬りつける。
「グッ!」
後ずさりするカミーユに強烈な浴びせ蹴りの追撃。
「ウッ!」
「さあ俺、いや、魂の力を味わせてやる。来い!」
「どこまでお前はヒーロー達を愚弄すれば気がすむんだ! セイギ!こいつは俺達の倒すべき対象! 絶対にぶっ倒す!」
「オーケー。やっちゃおうか」
加速する2人の執行人。
その姿にネクロールは笑いながら、奪牙のモンスター、融合獣キマリオンを召喚する。
「やれ」
ネクロールの指示に従い、5体に分身し、狙いをジュン達に定め、火炎弾を撃ち放つ。
(このモンスター!? この森を全部燃やすつもりか!?)
火炎弾を躱しつつ、ジュンは高く飛び上がり、ドロップキックの体勢に入る。
左足を折り曲げ、爆裂する右足を軸にネクロールに攻撃を仕掛ける。
「オリヤーーーーー!」
だが…………
「無駄だ」
ドロップキックはいとも簡単に右手の甲で弾かれ、地面に叩きつけられる。
「その程度の攻撃で俺を倒す? 笑わせるな!」
渾身の一撃が破られるが、それでもめげず、ジュンはすぐ様立ち上がり、叫び声を上げながら、ネクロールに向かって手をかざすのだった。




