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ヒーローズロワイヤル  作者: ガトリングレックス
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第12話 進化

アスファルトの上を転がって行く奪牙。


風穴から血が溢れ出すが、すぐに立ち上がり、カードを左肩の装填口に入れる。


「これが俺の切り札だ」


『フュージョン』


女性の機械音と共にクロコメモリー、リュウグウ、バトルバットラーが出現し、文字通り融合する。

リュウグウの首と尻尾、クロコメモリーの装甲と体、バトルバットラーの翼と3つのピコピコと光るモノアイ。

その姿に驚愕する3人をよそに、融合獣キマリオンはその巨体で巨大な火炎弾を撃ち放つ。


ジュンとセイギは変身し、躱そうとするが、火炎弾が地面に触れた瞬間、爆風を引き起こし、大きく吹き飛ばされる。


「ハハ、お笑いだぞ、お前達」


奪牙は笑いながらジュンとセイギに指を指し、デッキケースからカードを引く。


「させません!」


一気に加速し、カミーユはマシンガンを奪牙に向けて0距離連射しようとする。


だが…………


「アッガッ」


アバターの効果で召喚されていた奪牙が、スペリガンのビームサーベルでカミーユの心臓部を貫く。


「「引っかかったぁ、お前が悪い」」


ビームサーベルを引き抜き、倒れ込むカミーユを、容赦なく奪牙達は踏みつける。


「死ね! あの世にさっさと行っちまえ!」


奪牙にとって戦いは人生そのもの。

それを止められることは泳げなくなったサメと同じ。

戦いを続けていたい、だからこそ、この戦いを終わらせるわけにはいかないのだ。


「悪いですけど、私、変身している間は不死身です」


「「なに?」」


奪牙を弾き飛ばし、カミーユは宙を舞う分身に、マシンガンを正確に連射し、消滅させる。

風穴は一瞬のうちに修復され、銃口を奪牙に向けた。


「チィ!」


「あなたをここで死なせるわけにはいきません。ここから逃走しなさい」


警告するカミーユに、奪牙は左に首を回し、「アァー」唸りを上げる。


「お前みたいな、強くて優しい奴が1番嫌いなんだよ! 殺してやる。このカードでな!」


さっき引いていたカードを装填口に入れる。


『キャンセル』


「しまっ…………」


女性の機械音と共に、カミーユの変身が解除される。


「こういうカードもあるんだ。覚えて死んでいきなぁ!」


殴りにかかる奪牙。

その拳の先はカミーユの顔だ。

このまま顔に1発でもくらえば、カミーユの頭は吹き飛び、死亡するだろう。


「させるかー!」


そこに割り込んできたのは、ドロップキックの体勢に入っているジュンだった。


爆裂を右足に執着させ、繰り出される必殺の一撃。


「オリヤー!」


ドロップキックが奪牙の右胸に直撃する。

爆裂しながら吹き飛ばされる奪牙の体。

しかしそれでも立ち上がる奪牙に執念と恐怖をジュンは覚える。


「俺がこの程度で死ぬと思ってるのか」


「お前…………なんでそこまで」


「戦いは楽しむ物だろ。違うのか?」


「お前の中ではそうなんだろうなぁ」


「お前達みたいな奴はここで消してやる。そして俺は永遠にここで戦い続ける!」


デッキケースからカードを引く。

それに合わせ、キマリオンがセイギから狙いをジュンとカミーユに変える。

翼で空を飛び、奪牙の後ろに待機する。

荒々しくカードを装填口に入れ、「アァー」と唸る。


『アタックファンクション』


女性の機械音と共に、4人の奪牙が現れ、高く飛び上がる。


「逃げろ!」


「でも!」


「俺なら大丈夫だ! セイギ! カミーユを頼んだぞ!」


「ちょっと。まさか死ぬつもり!?」


「なわけないだろ!」


ジュンは高く飛び上がり、ドロップキックの体勢に入る。


「ハァーーーーー!」


キマリオンが巨大な火炎弾を奪牙達に放ち、火の弾丸になった奪牙達は回転をかけたドロップキックを繰り出す。


「オリヤーーーーーーー!」


ジュンと奪牙のキックでのぶつかり合い。

1対5では勝てるわけがない。

そう思われたその時、爆裂するジュンの足先と炎の弾丸となった奪牙が起爆剤となり、大爆発が引き起こされ、セイギが緑の姿でカミーユを守る。


「ジュンさーん!」


カミーユの悲鳴が響きわたり、爆風がセイギを襲う。


果たして、勝ったのは…………


爆風が収まり、確認すると、なんと奪牙が立っていた。


「そんな…………ジュンさーーーーーーーん!」


「待って。様子がおかしいよ」


よく見ると全身から血が溢れ出し、まったく動かない。


「あいつ、立ったまま死んでる…………」


「そこまでして戦いを終わらせたくなかったんですね」


戦いを生きがいにしていたダークヒーロー。

その生き様を見届けた2人は、ジュンを探しに向かう。


「ジュン、どこだーい」


「ジュンさーん」


探し回る2人。


「おーい」


ジュンの呼び声に、声の方を確認すると、そこにはジュンの新たな姿があった。


石炭の様な黒いボディ、マグマを思わせる赤い血管、黒だった複眼が赤く変色している。


「ジュンさん、その姿は?」


カミーユは説明が欲しそうに目を細め、ジュンへと歩みを進める。


「おそらくだが、あいつの必殺技の炎をベルトが吸収した結果。そう言うしかない」


そう言えばとセイギがあることでジュンを心配する。


「てか大丈夫? ずっと変身し続けて?」


「確かに、なんか体が軽いし、疲れが出ないなぁ」


「そもそも前になにを吸収したのさぁ」


「原子爆弾だ」


その返答に「「えっ」」と2人は驚き、そして敵にしたくないと思わせるほど、そのパワーワードは絶大な恐怖を感じさせるのだった。

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