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ゴブリン飯  作者: ブランケット少佐
第二章
39/66

38話 巨人

 ヒナに連れられ、チロは森を歩いていた。


 遠い昔に両親と並んで歩いたことはあるが、それ以外の誰かとは初めてだ。

 もちろん、異性と手をつないで歩いたこともない。


 これがデートであれば言うことはないのだが、向かう先はヒナの父親が待ち構えているゴブリンの集落だった。


「ヒナのお父さんて、どんなひとなんだ? ほら、身長とか、体型とかさ」


 歩きながら、チロは尋ねた。


 既に、ゴブリンの族長であること。ヒナには優しいが、怖い部分もあること。とにかく強いということなどは知っているが、外見などはまだ聞いていない。


「お父さんは、大きい。すごく、大きい」


 ヒナが、チロの顔を見ながら笑顔で答えた。


「すごく大きいって、どれくらい?」


 重ねて尋ねると、ヒナは「んー……」と悩む様子を見せたあと、


「チロの、倍くらい」


 と、また笑顔で答えた。


「…………」


 倍くらい。


 それはさすがに、予想外の答えだった。


 感覚的なものでしかないが、地面への距離などから、チロは自分の身長をだいたい150センチくらいだろうと考えていた。


 だとすれば、もしヒナの表現が誇張ではなく正確なものなら、ヒナの父親の身長は3メートル近いということになる。


「…………お父さんって、ほんとにゴブリン?」

「そう、だよ。すごく大きくて、すごく強い、ゴブリン」


 ヒナとの会話を続けるうちに、だんだんとチロは不安になってきた。


 つい先ほど、ヒナが父親のことを『すごく大きいと』と言ったときにチロが想像したのは、自分よりも一回り大きいゴルジより、さらに一回り大きいくらいのゴブリンだった。


 だが、ヒナの言葉を信じるなら、実際にはチロの倍くらいの大きさだという。


 ならば、ヒナの言った『すごく強い』というのは、どれくらいの強さなのだろうか。

 

 もし、大きさの時と同じくらいチロのイメージを上回るのであれば、その強さは間違いなくゴブリンの(わく)に収まらないだろう。


「……ねえ、ヒナ。もうちょっと、歩きながらお父さんの話をしようか」


 実際に会う前に、心構えをしておきたい。


 そう思い、ヒナから父親のことを聞き出そうとチロが話しかけた瞬間──── 


 ガサリッ


 と、前方の茂みが音を立てて揺れた。


 明らかに風の音ではない。


 何か巨大なものが、草木をかき分けて進む音だった。


 チロが恐る恐る視線を向けたその先には…………











 見上げるほど巨大な、緑色の巨人が立っていた。


 

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