要塞アストラと四天王ルンファ
第四章 要塞アストラと四天王ルンファ
北の都ペンドラゴ、東の王宮パリアカ、南の楽園セドナ。そして中心要塞アストラ。
これら四つの都市には、勇者だけが装備する事を許された伝説の武器防具が保管されている。ペンドラゴには剣。パリアカには兜。セドナには盾。アストラには鎧が保管されており、これら四つの武器防具は、魔王討伐に必要な回収アイテムだった。
「・・・これら四つを集め、西の祠へと向かったなら、魔女オリビアが別世界へと導いてくれるじゃろう・・・」
「魔女、オリビア・・・」
北の奥地に建てられた木こり小屋にて、老人から今後の冒険のヒントとなる話を聞き終えたワタルは、老人が口にしたキーワードに思わずフレイヤを見た。
西の魔女オリビアはナナシに斬られた後、レヴァーティンの神炎によって焼き尽くされた。神炎に焼かれたオリビアが生きている可能性は低く、オリビアというシステムが壊れた事を示すように、ラクイアからは沈まない太陽も消えていた。
「オリビアはキーキャラクターだったようですわね。ですが、例えオリビアがいなかったとしても問題はありません。別世界の所在は既に掴めていますし、所在が分かれば扉を開く事など造作ありませんもの」
「えっと、そ、それはつまり、勇者の武具を揃えなくても今から別世界に行けるって事?」
「あら、オッタルはわたくしとの冒険を、そんなにも早く打ち切りにしたいのかしら?」
「いや」
「ふふっ。冒険は正当に行きましょう。勇者の武具を集めて西の祠に向かう頃には、レヴァーティンの炎も、レーフェによって回収されている可能性もあるますしね」
「ほげ~」
「エルフの魔女は、そんなに信用出来るものなのかニャー?」
「あの炎をどうこう出来るとは、とても思えないのニャン」
「あら、仲間というのは信用しているからこそ、仲間というのですわよ」
「フレイヤ様、世界に毒されてないかニャ?」
「毒を喰らわば皿までと言いますし、例え毒されていたとしても、何も問題ありませんわ」
首を傾けるオーデとエインにフレイヤは笑顔で答えた。その笑顔は何かを企んでいるようであり、何かを楽しんでいるようでもあった。
「ほげ~」
「いずれにせよ道は示されました。さてオッタル。どの方角のどの場所に向かいます?」
フレイヤは自ら行先を決める事はせず、ワタルに質問した。
現在ワタル達が居る場所は、オラクル大陸と呼ばれる世界の西に位置する大陸である。大陸には広大な陸地が広がっているものの、ペンドラゴ、パリアカ、セドナ、アストラといった都市はオラクル大陸にはなく、どの都市に行くにも航路や空路を経由する必要があった。
「ここから直ぐ北に港があるから、北のペンドラゴが中心のアストラに向かうのがいいとは思う」
ミーミルの書に記された世界地図を見ながら、ワタルはフレイヤの質問に答えた。
地図の位置関係から見ると、港から近いのはペンドラゴとアストラであり、ワタルの中にある選択肢はこの二つだった。近い場所から攻略していくのは、RPGの鉄則でもある。
「ほげ~」
「決まりましたわね。ではまずは港に向かうとしましょうか」
「うん。分かった」
ペンドラゴとアストラ、どちらに向かうかはまだ決まってはいないものの、ワタル達一行は北にある港に向かって歩き始めた。




