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西の魔女とロリッ子戦士5
ナナシの斬撃がオリビアの腕を斬り飛ばした。
幾度斬り結んだのか、十までの数しか知らないナナシには、それ以上の数を数える事は出来なかったが、その結びも間もなく終わろうとしていた。
心躍る愉しい時間であったが、ナナシの心に満足の二文字はない。
相手は確かに強かったが、ナナシ程ではない。
であれば、ナナシが満足する理由はなかった。
「もう終わりか?最強よ」
ナナシは腕と脚を失った老婆、オリビアに問う。
「・・・」
問うた所で、オリビアは何も答えはしなかった。
オリビアに敗北の二文字はなく、システムとしてオリビアには、敗北時の台詞は用意されていなかった。
オリビアは負けない、敗北の役割を持たない歯車だった。
役割を順守する為に、歯車が動く。
オリビアの体に強烈なマナが収束し、そして、弾けた。




