第9話 大容量BAG(リュックサック)
「あちゃー。行き止まりだね」
「そうだね。どいてくれると嬉しいんだけど。次の村に行くまでに、まだまだ距離あるから」
「ビッグスライムにゃ。Dランクにゃ。3匹は少々つらいと思うにゃ」
宿屋に戻った後、外で、水浴びをして泊まっている部屋のベッドに戻り寝た。
2人とも、『スピースピー』と寝ていた。
翌朝、2人は、なぜか、レベルアップしていて驚いていた。
経験値が2.5割ずつ入ったんだろうね笑
経験値は、パーティーメンバーが離れすぎると入らないと言われている。
それと、パーティーメンバー同士のレベル差が大きすぎても経験値が入らないと聞いている。
現在、次の街、うみふねの街に向かっているんだけど、橋の入り口をピンク色のビッグスライム3匹が占領している。
居眠り中のようだ。
かなり大きい。重そう。
のしかかりされたり体当たりされたら重さでぺちゃんこだろうね。
アシュ5人分くらいのおおきさのビッグスライム。
「倒すしかないよね。アシュ、さっき話していたあのやり方で行こう」
「わかったわ。レイシス」
水でできた渦が3匹いるビッグスライムのうちの真ん中の1っぴきを囲むように拘束した。
両隣にいる、ビッグスライムにも水しぶきが飛ぶ。
「レインからのレイン」
アシュが続けざまに、水魔法レインを唱える。
両端のビッグスライムに水鉄砲が噴射され、びちゃびちゃになる。
「動き始めたにゃ」
まだ、寝ぼけている様子のビッグスライム。
のそのそと地面を這うように動き始めるけど巨体の為かなり遅い。
「スパーリッシュ。これでどうかなー?」
雷魔法を唱える。
水にぬれていたら、雷を良く通すのは常識だよね。
もともと、スライム系統は、雷魔法が弱点。
中には、克服している固体もいるようだけど。
因みに、パーティーメンバーに、魔法や剣などの攻撃は当たらない。
これも、不思議な力で遮られることによる。
「ペルシャ、何もしてないにゃ」
黒い煙をあげて消えていくビッグスライム3匹を見てつぶやくペルシャ。
僕がスパーリッシュを唱えた瞬間、ビッグスライムの左上に『かいしんのいちげき』と表示された。
たまに、こういった言葉が表示される。
弱い敵に強い攻撃を与えると『オーバーアタック』
なかなかあたらないで、やっとこさ当てると『カスカスのこうげき』
などなどとさまざまだ。
僕のバッグから顔を出しているマシュマロンの『マロン』は「ましゅましゅ」と言って僕たちのビッグスライムとの戦闘の勝利に喜んでいるように感じられた。
「ビッグスライムのバッグみたい」
僕とペルシャがGを拾っていると戦利品を手に持ったアシュが言葉を発した。
「どんなアイテム?あっ、バッグか」
天然みたいな発言をしてしまった。
「なんか、バッグ自体の大きさは、わたしたちが背負っているものと同じサイズなんだけど、中身がビッグスライムと同じ容量が入るんだって。それにこのバッグに入れた荷物は重さを感じないんだって」
ステータス画面で確認したのだろう。
説明をしてくれるアシュ。
「すごいにゃ」
確かにすごい。
重さを感じないなら、旅が楽になる。
歩くスピードも以前に比べて、速まるはず。
「じゃぁ、リュカよろしくね」
僕たち3人分の荷物をまとめて、ビッグスライムのバッグに収納した。
まだまだ、内容量てきに問題なさそう。
マロンは、僕の背負うリュックサック(バッグ)の中にいる。
「いやいや、恥ずかしいよ。そのビッグスライムのバッグ、ピンク色だよ?」
「大丈夫にゃ。リュカはかわいいにゃ」
「ペルシャも悪乗りしないで。アシュかペルシャのどちらかが背負ってね」
僕は、そう言って、橋の方を向き歩き始めた。
「ちょっと待ってよー」
「待つにゃーー」
結局、アシュが持つことになったようで、かわいらしいバッグになったアシュとアシュよりも素早い速度でペルシャが走ってきた。