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サキュバスの眷属になったと思ったら世界統一することになった。  作者: ちょび
第6章〜傭兵国家ギルドランド〜
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慢心故に

「すぐに終わらせてやろう。光迅剣(こうじんけん)!」

素早く距離を詰め突き刺そうとするホルホ。


しかしナイフを使うことなく重心をずらし

ホルホの一撃を躱すシルビア。


「何……?」

開幕必殺の光迅剣を躱されただと……?

この女……強いのか?


「…すり足の要領で悟られにくく距離を詰め比較的見え辛い細身の剣を突き出し刺殺を狙う……多少技術が必要ですが……」


「…っ!」

一目でそこまで見抜くとは……!!

驚くホルホ。


「その程度の技で私を倒せるとでも?」

ホルホを睨むシルビア。


「舐めてもらっては困るな!連光閃(れんこうせん)!!」

連続で剣を突き出すホルホ。


「顔への刺突により注意をそちらに向け心臓含めた正中線への急所攻撃」

ひらりと躱すシルビア。


「それ程わかりやすい攻撃でよく生き残れましたね。今まで」


「ぐっ……!!」

フェイントを含めた連光閃が初見で躱されるだと!?

この女……!相当戦闘慣れしている……!!


「魔力の無駄なので魔法を使う必要も無いですね」


「慢心は敗北を呼び寄せるぞ!」

ホルホはそう叫ぶと突きを繰り出した。


「フェイント含めた所で攻撃パターン、そして発生源が変わらない時点で話になりません」

ゴギッ!!

鈍い音があたりに響く。


「ぅがあぁっ……!!」

カラン、とホルホが剣を落とし右手を抑える。

ホルホの右手は指があらぬ方向に向いていた。


「貴女いったい何を……!!」


「貴様の攻撃に合わせナイフのグリップを叩きつけただけですよ」


「馬鹿な……!僕の突きに対してそんな事が……!!」


「剣にガードでも付いていれば防げたかもしれませんが素手が剥き出しだったので簡単でしたよ。さぁ、もう終わりですか?」


「ぐぅっ……!!」

利き手を壊されさらに技は見切られる……!

どうしたらいい!?

僕は名持ち(ネイヴァー)!ホルホ・ヘッツだぞ!!


「では、終わりにしましょうか」

シルビアが少しずつ歩を進める。


「くっ…ああぁぁ!!」

ホルホが左手で剣を投げつける。


「……醜いですね」

シルビアが剣を避けようとする。


「シルビア!!なにか来るぞ!!」


「えっ……!」

剣を躱したシルビアがホルホに視線を戻すと

左手をこちらに向け何かを詠唱しているホルホ。


「……“剣に宿りし我が魂、彼奴を貫く刃となれ!雷塵榴刃(らいじんりゅうじん)!!”」

一瞬ホルホの腕が光ったと思うとカッ!!と

短い雷鳴が轟き龍の形の雷が剣に飛び、

着弾と同時に大きく爆ぜた。


「シルビアーー!!!!」

シルビアのいた場所は煙に包まれていた。



……雷塵榴刃は雷に匹敵する威力の

電気魔法を剣に送り込み内から弾けさせ高速にて

無数の刃を生じさせる大魔法…………。

まさか使うことになるとは…………。




煙が晴れるとそこにシルビアの姿はなかった。

「シルビア……?嘘だろ?」

あの魔法で跡形無く消えたって言うのか……?


「フュゼ様!!見て!」

アリスが指差す先にホルホ。

よく見ると驚いたような表情をしており

後ろにはシルビアが立っていた。


「……まさか、そんな……!!」


「初手からその技を使っていれば勝てたかもしれませんね。しかし満身創痍の詠唱に遅れをとるほど私は鈍くありませんので」


「ぐっ……!どうやって……!!」


「詠唱を見て距離を詰めただけです。消耗しきって背後に回られても気づかなかったのですか?」


「……完敗だ。」

両手を上げるホルホ。



「シルビア!!」

制止しようと叫ぶフューゼ。


「この決闘のルールではどちらかが死ぬまで止められないさ。誰にもね。」

フューゼににやりと語りかけるホルホ。


「随分と聞き分けがいいんですね」


「……完全に実力を見誤った僕が悪いからね。さぁ、痛いのは嫌いなんだ。勝負をつけたまえ。」


「……ヴァンドラ様に対するあの態度に謝罪はありますか?」


「ヴァンドラ……?」

ちらりとフューゼの方を見るホルホ。


ふふふ……。奴はヴァンドラだったのか……。

それでこの子は側近か。それは強い訳だ。

ここまでの実力差に気付けないとは……。

完全に慢心していたのは僕だったというわけか。


「……気づかなかったとはいえ、君達の主に失礼したね。この命で償おう。」

ふっ、と笑い目を瞑るホルホ。


「……さようなら、ホルホ・ヘッツ」

シルビアは後ろからホルホにナイフで切りつけ、

そのまま横一文字に切り伏せた。

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