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サキュバスの眷属になったと思ったら世界統一することになった。  作者: ちょび
第6章〜傭兵国家ギルドランド〜
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予期せぬ決闘条件

「失礼だがお嬢さん、名持ち(ネイヴァー)なのか?」

構えたままシルビアに問うホルホ。


「……イグニ・シルビア。それが私の名です」


「ほう、いい名ではないか。決闘宣言前に名を聞かなかった非礼を詫びよう。」

剣を上に向けるホルホ。


「……何ですか?決闘は取り止めですか?」


「それは無いな。僕にとってまたとない機会、逃す訳にはいかない。しかし僕は紳士だ。女性であってもフェアに戦えるように1つ提案をしてあげよう。」


「……提案とは何ですか?」


「ただの決闘では流石に結果が見えてしまっている。そこで貴女に1つ勝利条件に関するルールを加える権利を与えよう。」

剣をシルビアに向けて微笑むホルホ。


「勝利条件に関するルール……?」


「そうだ。例えば片膝を地に付いた方の負け、武器を落としてしまった段階で負け。こういったルールを追加しようではないか。そうすれば僕と貴女にいかに差があろうとルール次第ではいい勝負になるかも知れないぞ?」

見下すようにシルビアを見つめるホルホに対し

冷静なシルビア。


「それはどんなルールでもよいのですか?」


「構わないよ。ご希望とあれば片足での試合や口論でも受けて立とう。」

フハハッ、と笑うホルホ。



……あいつシルビアの事相当舐めてるな。

ただ勝利条件を決められるのは

かなり有利なんじゃないか?


フューゼ達が見守る中シルビアが口を開く。

「ではルールを制定させて頂きます」


「あぁ、好きなルールを決めたまえ。」

にやけたままのホルホと対称的に

一切表情を変えないシルビア。



「勝利条件はただ1つ。相手の命を奪った者の勝ち。これで決闘しましょう」


「何…………?」

シルビアの提案を聞いた途端笑みの消えたホルホ。


「シ、シルビア!?」「シルビー!?」

焦るフューゼとアリス。そして不安そうなモナ。


「安心して下さい。単にこの者を屠る口実が欲しかっただけなので。 」


「くくっ!!面白いこというじゃないか小娘!!見直したぞ?」

にやりと笑うリヴィア。


「……貴方は少し黙っててください」



つまらなそうな顔をするホルホ。

「……冗談にしては笑えないな。決闘のルールにそれを制定する場合どちらかが死ぬまで戦う事になるが自殺願望でもあるのか?」

ホルホに対し何も答えないシルビア。



何だこの女……。何を考えている……?

僕の嫌がることをしようとしているのか……?

何を………………。…そうか、そういう事か。

「…………シルビア君だったか?考えたな。」

呆れた。というように手をひらひらとするホルホ。


「貴女の考えはこうだろう?僕が勝てばサキュバスやエンプーサについて全て話すように言っていたからあえて敗北ではなく死を選ぶ事により僕が決闘を取り止めると思っているのだろう?」

はぁと溜息をつくホルホ。


「甘いのだよ。情報を聞き出すことよりも敵討ちの方が僕にとって重要性が高い。そのような条件を付けたところで斬り捨てるまで。でしゃばった割にこの程度で失望したが……今ならそのルールを変更しても構わないよ。」



「何を勘違いしているのですか?」


「何……?」


「私がこの条件を指定したのは貴様が降参しても決闘が終わらない様にするためですよ?私の仲間に対するその態度、万死に値しますのでここで消えてもらいます」


「本気か?僕に勝てるとでも思っているのか?」


「逆に聞きますが私に勝てるつもりでいるんですか?貴様程度で図々しいですよ?」



ぴくりと眉が動くホルホ。

「…………そうか。ではその条件飲んでやろう。」

剣を構え直しシルビアを見据えるホルホ。


「やっと貴様の声を聞かなくてよくなると思うと嬉しいですよ。辞世の句を聞くつもりもないんで心の中で済ませておいてくださいね」


顔に明らかな怒りを浮かべるホルホ。

「……減らず口を…!!すぐに斬り捨ててやろう!」

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