海流船最大加速
「……あっぶなかったな!」
肩で息をするフューゼ。
「まぁこのくらいのこと私様とヴァンドラの力を合わせれば朝飯前じゃがな!」
ドヤ顔のリヴィア。
「……モナも頑張ったよ」
むっとしているモナ。
「おぉ!もちろん!モナも頑張ったな!」
褒められた途端嬉しそうなモナ。
「どうなる事かと思ったッス……。」
「まぁこれで何があっても問題無い事が証明された。飛ばすぞ!」
リヴィアが手を大きく振るう。
その瞬間今まで以上の力が船に加わった。
「ちょっ!リヴィア!!」
叫ぶシルビア。
「くくくっ!!なんじゃ小娘!私様はギルドランドにすぐ着くようにしてるだけじゃないか!小言は陸で聞いてやる!!」
さらにぐんと早くなる船。
危険を案じてモナ、ホープ、アリスは船室に入る。
「シルビア、モナの代わりに俺とシルビアで船を動かすぞ。」
「了解致しました。」
そこに割って入るリヴィア。
「安心しろヴァンドラ。先程のような緊急事態じゃない限り海流でギルドランドまで運んでやる」
「……大丈夫か?」
「何だったら緊急事態も予測して動いてやるわ。私様を信じろ」
そういうとぷいと進行方向を見つめるリヴィア。
「……悪かった、信じてるさ。」
「…………ふん、信じて当然じゃ」
「頼りにしてるぞリヴィア。ちなみにあとどのくらいでギルドランドに着く?」
「どのくらいで着きたいんだ?ヴァンドラ」
「何?」
「指定した時間で到着させてやろう。私様を信じるならな」
……まだ出航して2時間くらいじゃないのか?
5日かかる距離をもうそんなに進んでいるのか?
「シルビア、あと何時間後に到着するのが一番好ましい?」
考えるシルビア。
「……様々な準備等含めると2……いや、3時間程が好ましいかと」
「3時間……!?流石に無理じゃないか?」
リヴィアの方を見るフューゼ。
「無理ではない。私様の力を見くびるな」
ぎゅん!と加速するフューゼの船。
「うおおぉっ……!!」
「……っ!!」
一瞬飛ばされそうになったフューゼとシルビア。
「さぁ、進め!海流船よ!!海で私様を阻むものなど何も無い!!」