スノーフィスへの一時帰還
なんとかフューゼはリヴィアを連れついに
スノーフィスに到着した。
「さぁ、どれがヴァンドラの船だ?」
キョロキョロするリヴィア。
「あれだ。」
フューゼが船の方を指差す。
「なーんじゃ、普通すぎるな。ヴァンドラ」
少し小さな船を見てがっかりするリヴィア。
「そうか?今止まってる船の中じゃ飛び抜けてでかくないか?」
「は?飛び抜けてでかい……?」
小さな船の奥の巨大な船をみるリヴィア。
「え?これじゃなくてこっち……?」
小さな船と巨大な船を見比べるリヴィア。
そして徐々ににやける顔。
「くくくっ!!あはははは!やはり面白いな!ヴァンドラ!」
にこにこしながら船に向かうリヴィア。
「まぁ、喜んでくれたならよかったか。シルビア、アリス、モナ取り敢えず乗り込むぞ。」
船の下についた一同。
「ホープ!起きてるか?」
叫ぶフューゼ。
「もちろんッス!!今縄はしごを降ろすッス!!」
すぐに反応したホープが縄はしごを降ろす。
そして、船上に昇った一同。
「おかえりなさいッス!!……って誰ッスか?」
リヴィアを指差すホープ。
「新しい仲間だ。自己紹介してくれ。」
「おぉ!オイラはブラーゼ・ホープ!ヴァンドラの兄さんに名付けしてもらったッス!!よろしくッス!」
右手を差し出すホープ。
「……ヴァンドラに名付け…。羨ましい奴じゃ。私様はリヴィア。海神竜リヴィア。聞いたことくらいあるだろう?私様はヴァンドラ以外に興味無いがとりあえずよろしく」
ぷいと顔を背けながらも握手するリヴィア。
よろしくッス!と笑顔で握手した後急に驚くホープ。
「えええぇぇぇ!!?リ、リヴィア!?スノーフィスの大渦作ってるリヴィアッスか!?え!?何で!?」
「うるさいな……。単純にヴァンドラが好きだからじゃ」
少しぽかんとしたあと頷くホープ。
「…………いやー、ヴァンドラの兄さん凄すぎるッスね。規格外ッス。ふらーっと行ってスノーフィスの海神竜連れ帰って……というかお持ち帰りって……。」
「ホープ。その表現は止めなさい」
不機嫌そうなシルビア。
「シ、シルビアの姐さんが怖いッス。」
「くくっ、放っておけ。ホープだったか?私様にこの船を案内してもいいぞ?」
「さっそく名前呼んでくれて嬉しいッス!!じゃあ早速案内するッス!」
ホープとも問題なく溶け込めそうだな。
どうなる事かと思ったがリヴィアは結構
適応出来てるみたいだな。
……よし。俺も挨拶しに行くか。
「みんな、出航準備だけ整えておいてくれ。俺はキャラットに最後の挨拶してくるよ。」
「キャラット?誰じゃ?」
首を傾げるリヴィア。
「俺達全員世話になった仲間だ。この船の操縦とかも教えてくれたんだ。挨拶無しには出航出来ない。」
「ふーん……マリーにも会うのか?」
「極力会わないようにするさ。さぁ準備しておいてくれ。なるべく早く戻る。」
船を降りようとするフューゼ。
「あっ、シルビア、アリス、2人は出航前の準備と、あれば買い出し全般を頼んでいいか?」
「お任せ下さい」
「うん!任せてー!」
「……モナは?」
寂しそうなモナ。
「モナは船の操縦を確認しておいてくれ!頼むぞ?」
「……うん!わかった」
「ありがとう。なら行ってくるよ。」
フューゼは船を降り
スノーフィスの謁見の間の方角へ歩み出した。




