衝突
「この村の全員が贄だと!?」
「あぁそうだ。知らなかったのか?だとしても関係ないがな。貴様達が私様の贄共を屠ったのか?」
顔を上に向け見下ろすようにフューゼ達を
みるリヴィア。
「いや、俺達じゃない。ベロウズ・ケイジュ。奴がこの村を破壊し尽くした。」
「ベロウズ……知らんな。まぁあの時感じていた魔力は貴様達とは違うようだから信じてやろう」
ん……?魔力を感じていたのか?
村人達が襲われている時に……。
「あの祠からでも魔力を感じられるのか?」
「あぁ。贄共の僅かな魔力と生命力が消えゆくのも感じていたぞ」
「何故助けなかったんだ?贄……村人達はリヴィアにとっても必要なんだろ?」
「ふん、愚問だな。贄とは捧げられるものであって私様が守るものではない。私様の力が欲しければ贄をまた捧げればいい」
これがスノーフィスを守るリヴィア……。
圧倒的な力を持っているからこそのこの態度か。
「スノーフィスを守るのはお前の役目じゃないのか?」
「お前……?」
ふわりと体制を整えるリヴィア。
「……私様はスノーフィスを守っている。海の大渦でな。贄まで守る必要性が何処にある?」
「村人達もスノーフィスの仲間じゃないのか?」
「仲間?……くくっ!貴様は家畜を喰らう時に仲間だと感じるか?家畜が死に絶えた時仲間を失ったと感じるか?感じないだろう」
右の拳を握りしめるリヴィア。
「先程から生意気なんじゃ。そもそも貴様達がそのベロウズとやらを殺すか捕らえれば済んだ話だろう」
そう言って右の拳を
開きながら大きく振るうリヴィア。
その手から放たれた高圧で細かな
水魔法がフューゼ達を襲う。
「ぐっ……!?」
しまった……。
この流れはまずいぞ!
「喜べ!浅慮の申し子ヴァンドラ共!貴様らの魔力と生命力、それを私様の贄としてやる。早々に頭を垂れよ」




