海神竜リヴィア
「何者だ!?」
シルビアがナイフを構える。
魔法であがった炎なども消えその姿が見える。
……そこには綺麗な蒼色のツインテール少女が
立っていた。
「……可愛い。」
つい呟いたその瞬間シルビアから殺意を感じた。
「貴様……名を名乗れ。何処から湧いてきた?」
「……人間の癖に強い魔力撃ち込んできたと思ったら別種族か。炎の魔力にその風貌……ヴァンドラの者か」
ん……?すぐにヴァンドラに気づいた……?
フューゼが疑問に思うがシルビアがすぐに
話を続けようとする。
「聞いてるんですか?貴様は……」
話しを続けようとしたシルビアが
水流の様なもので吹き飛ばされる。
「シルビア!!」
フューゼが振り返るとシルビアは数m先で
片膝をついていた。
「ヴァンドラの連中は自己中心的過ぎて反吐が出る。自己中心でも許されるのは私様だけだぞ?」
掌に球状の水魔法をだす少女。
顔を歪めながらも少女を睨むシルビア。
「くっ……この魔力…まさか貴様……リヴィアか…!?」
「なっ……!!」
リヴィア……!?
こいつがスノーフィスの化物のリヴィア!?
「くくっ、知識だけはあるようだな。ヴァンドラの民よ。私様こそが海神竜リヴィア。この海を束ねる美しき神竜ぞ」
掌の水魔法をふわりと浮かべるリヴィア。
「小娘、何故我が神体に魔力を撃ち込んだ?」
「……敵意を感知しましたので」
「敵意を感知したら魔力を撃ち込むのか?力量も確かめずにか?」
リヴィアからの問に対し答えられないシルビア。
「まぁいい。私様に対する無礼には浅慮故の行動だろうと許しはしないがな」
シルビアに向かって水魔法を撃つリヴィア。
「シルビー!!」
「……っ!!」
パァン!!圧縮された水が弾ける。
弾けた水が霧のように舞ったがすぐに晴れる。
そこにはシルビアを庇い魔法を弾いた
フューゼが立っていた。
「ほぉ……。あの程度とはいえ私様の魔法を無傷で防ぐか」
「シルビア!!大丈夫か!?」
「……申し訳ございませんヴァンドラ様。私は無事です」
「ヴァンドラだと……?貴様が当代ヴァンドラなのか?」
「あぁそうだ。今回の件は俺の仲間が迷惑をかけて本当に悪かった。どうしたら許してくれる?」
フューゼの問に対し
ぽかんと口を開けるリヴィア。
そして高らかに笑い出す。
「アハハハハハっ!当代のヴァンドラはまともに会話できるどころか謝罪までするのか!!面白いぞ!気に入った!!私様の質問に答えたら許してやろう!」
……今回だけは今までのヴァンドラに感謝だな…。
「ありがとうリヴィア。それで質問とは何だ?」
「単刀直入に聞こう。私様の贄共は貴様達が殺したのか?」
「贄……?誰のことだ?」
「この村の人間だ。この村の全ての人間は我が贄としての意義しかない」




