自由な夜王
メルメルをキャラットからたっぷりともらい
満足したフューゼは1人ゆったりとしていた。
皆に準備してくれとは言ったものの
俺は特にないからなぁ。
…このままぼーっとしてるのもなんだし
皆の手伝いでもするか!
ただ場所がわからないからなー。
キャラットまだ近くにいるかな?
「キャラットー!いるかー?」
フューゼの声が周囲に響く。
しかし返事はない。
「……さすがにいないか。まぁ何とかなるだろ。」
その時ぱたぱたと足音が響く。
「よ、呼びましたか?フューゼさん」
「おぉ!悪いな呼び出して!」
「すみません。メルメルでしたら今エルフの粉を製造中で……」
「いや、メルメルじゃないぞ。今から皆の様子を見に行きたくてな。案内してくれないか?」
「あ、メルメルでは無かったんですね、失礼致しました。皆さんの場所はお伺いしてるのでご案内致しますね!まずどなたの所に向かいましょうか?」
「アリスかなぁ?準備に1番時間かかりそうだし。」
「アリスさんなら2つ隣りの部屋にいると思うのでさっそく向かいましょうか」
キャラットに連れられアリスのいる
部屋へと向かうフューゼ。
「ここです!」
「本当に近かったな。とりあえず入ってみるか。」
部屋のドアノブに手をかけるフューゼ。
「だ、だめですよ!一声掛けてからでないと!」
「あ、そうか。ありがとうキャラット。おーいアリスー!いるかー?」
フューゼが声をかけた途端
中から騒がしい音が聞こえたと思うと
勢いよくドアが開かれた。
「フュゼ様ーー!来てくれたの?ありがとうー!入って入ってー!」
アリスに促され部屋に入る
フューゼとキャラット。
「あ、キャラットちゃんも一緒だったんだね!」
「はい。フューゼさんの道案内をさせて頂いております。」
「えー!いいなー!でも私だとここら辺わからないからねー。キャラットちゃんにフュゼ様の道案内を任せたよっ!」
「はい!ありがとうございます」
「それでフュゼ様、どうしたの?何かあったの?」
「いや、俺が特に準備する事が思い当たらなくてな。皆の手伝いでもしようかと思って。」
「わーー!!ありがとうフュゼ様!優しいね!…でも私準備はもう終わったんだー!私も皆のお手伝いするフュゼ様のお手伝いする!」
「おお?そうか!なら次はシルビアの所に行くかな。」
「私シルビーの部屋ならわかるよ!昨日の夜に遊びに行ったからね!」
駆け出そうとするアリス。
しかしキャラットが慌てて制止する。
「お待ちくださいアリスさん!シルビアさんはモナさんとスキルの確認に向かわれると仰っていましたので別の場所を案内しております!」
「そうなの?どこにいるの?」
首を傾げるアリス。
「ここの外にある赤のテントです。ご案内致しますね!」
「あぁあの武術奴隷がいるってとこか?」
「よくご存知ですね!さすがです。あそこであれば色々な事を試せると思いまして。では参りましょう」
キャラットに連れられアリスとフューゼは
赤のテントへと向かった。




