未覚醒の力
「大丈夫かー?モナ、マコ。」
相変わらずひどいな俺が噛み付いた後は……。
まぁ眼福でもあるからいいんだが。
「お、おいフューゼ!大丈夫なのかこれは」
「眷属契約の副作用みたいなものさ。あと数分もすれば治るよ。」
「そ、そうなのか……」
「いいなぁ君たちは……。初めて君たちに対し嫉妬という感情が芽生えたよ……。」
悔しそうにするクタール。
「……クタール?」
「いや、何でもないさ。気にしないでくれ、フューゼ。」
「も、もう大丈夫……」
顔を紅くしたまま立ち上がるモナ。
「おぉ!思ったよりも早いな。どんな感じだ?何か変わりはあるか?」
「……身体が熱い。燃えちゃいそう」
「何だと?大丈夫なのか?」
シルビアの方を振り向くフューゼ。
「……恐らくヴァンドラ様の魔力が馴染もうとしているのでしょう。しばらくすれば落ち着きます」
「それならよかった。モナ達もスキルが使えたりするのか?名付けしたから。」
「それはまだわかりませんね。安定した後に色々試してみると判明するでしょうが」
「そうか!それは楽しみだな!…マコは大丈夫か?」
座ったままこくこくと頷くマコ。
「フューゼ……少しいいかい?」
「何だ?クタール。」
「モナとマコって名前なんだけど……由来はまさか…。」
「あぁ!モリナマコからとったんだがおかしいか?」
「いや……君らしくわかりやすくていいよ……!ククッ!」
「な、なんだよ?変か?」
「私は可愛いと思うよー!」
にこにこするアリス。
「モナ……この名前……大切にする……!」
なんとか声を出すモナ。
「……皆様お疲れでしょう。グリーディア名物のメルメルをお持ちしますのでお待ちください」
「ん?メルメルってなんだ?」
「グリーディア名物のお菓子でございます。とても甘くて美味しいですよ!」
「……キャラットのメルメルは最高なんだから!」
何故か自慢げなレベッカ。
「ふふっ、ありがとうございます」
照れるキャラットと顔を伏せるレベッカ。
「では、その後はお部屋を準備しますのでゆっくりおやすみください」




