疑惑
ガギィ……!ガァン!!
ロングソードが攻撃する度に炎の剣を出すが
全てを1振りで破壊されていくフューゼ。
「フュゼ様!ほかの攻撃しないと効いてないよ!」
「わかってる……!!」
フューゼは炎の壁でロングソードを取り囲む。
ザァン!!
しかしそれも1振りで破壊された。
「フューゼ。そんなの効かないよ?」
「……みたいだな。」
炎は思った通りに動かせてる……。
俺が初めて使えた魔法だから
感覚が掴みやすいみたいだ……。
だがその炎が効かないとなるとどうする……!!
風狼か嵐狼を使うか……?
「こないならボクから行くよ」
腕を振りかぶるロングソード。
「くそっ!風狼!!」
フューゼから放たれた風狼はロングソードに
当たった途端爆ぜ風の刃になって切り刻む。
「くああぁっ!」
その場に座り込むロングソード。
それを見て一瞬で顔色を変えたグリーディア王レベッカと
重臣キャラット。
「………レベッカ!」
「あぁ……わかってる」
何故奴があの魔法を……?
そもそも風を使う魔法の中でも上位に値する
風狼はグリーディアにのみ伝わる秘術。
グリーディア以外の者に伝える事などないし
グリーディアの者でも二等魔力持ち以上の者以外
存在自体知らない。
そして使う時は必ず相手を殺す時のみと決まっている。
「風狼を使えるとなれば…」
「そうだな。我等が一族にヴァンドラにすでに降った裏切り者がいて風狼をヴァンドラに伝えたかもしくはヴァンドラを殺そうとした結果敗北し解析されたか……」
「えぇ。そうなりますね」
「決まりだな。どちらにしてもヴァンドラは敵だ」
「その可能性が高いですね」
「奴にはゆっくり話しを聞く必要があるな。抵抗すれば我が弓で奴の心臓を射抜く」
座り込んだが効いたのか…?
「ふふふ…あははっ!あははははっ!!」
笑いながら立ち上がるロングソード。
「これだよ…フューゼ!この痛み!」
「……しまった!」
風に切り裂かれたロングソードの身体は
より一層輝きを増していた。
「この痛みが教えてくれるんだ……!ボクは物じゃない。生きてるって!!」
フューゼに斬りかかるロングソード。
ガァン!!
魔力障壁を纏った腕で防ぐフューゼ。
「そして、斬れないものなんて無いってこともね」
「なっ!?」
フューゼの腕にほんの小さな、しかし確かな切り傷がついていた。




