傾国
「……どういうおつもりですか?グリーディア王」
険しい顔つきのシルビア。
「突然押しかけておいて我等に同盟の提案などと無礼を働いたのは貴様等だろう」
「…であれば謝罪致しましょう。ですがこちらの真意を理解せず戦闘を仕掛けるとは……それが答えということでよろしいですか?」
ナイフに手を掛け殺気を放つシルビア。
「…………真意がどうであれ弱き者と手を組むつもりは無い。我等も独立派としての歴史があるのでな」
「であればその御身を持って我等が強さをご理解頂きましょうか」
「…貴様っ!!」
グリーディア王の隣りの女が立ちはだかりシルビアを睨む。
「…下がれキャラット」
「しかし!!」
「聞こえんのか?下がれ…!」
「……っ!」
キャラットと呼ばれた女はまたグリーディア王の隣に戻った。
すぅ…グリーディア王が息を大きく吸い込む。
「ではこちらも宣言してやろう。貴様等が主ヴァンドラが我に力を誇示する事ができれば同盟でも何でも結んでやろう!……ただし貴様が死んでも文句は受け付けんぞ!!」
大声で叫びフューゼを指差すグリーディア王。
「……どういう事だ。」
「我が国最新の生物兵器がそのロングソードだ。それに斬り殺されるような王とは独立派としての歴史…そして信念を崩すつもりなど毛頭ない」
……つまりこの子…ロングソードを倒せってことか。
「力の加減は効かないかもしれ…!?」
ガァン!!
ロングソードの研がれた腕がフューゼを襲う。
「もういいかな?話長いよ!ボク我慢出来ない!あと、加減なんて要らないよ?斬るか斬られるか!!これがおもしろいでしょ!!」
こいつ……!!あの大きな剣で斬るより腕の方が強い!!
「キミの身体斬れないね!でもボクに斬れないものなんてないよ……!」
「ヴァンドラ様!魔力障壁は自分の魔力以下の攻撃を受けた際に同じ威力を同じ性質で返し相殺するスキルです!!相手のスキルの特性上受け続けるのは危険です!!仮に上限なく鋭さを増していけば…いずれは魔力障壁が破られます!」
「何だと!?厄介だな……!」
「クククッ!!僕の最高傑作に斬られろ!夜王ヴァンドラ!!そして僕の実験の礎となれ!!」
「さぁヴァンドラよ!!貴様の思いを力によって我に示せ!!」




