生地獄の雨
「この数なら捌けないでしょう」
シルビアが右手を水平に動かすと多数の生地獄が顕現した。
「あの魔法を…この数か…!!だが…!」
あれだけの魔法を使うとなりゃ魔力をかなり消費するはず…。
このタイミングで詰めにきたってことか…!
「生地獄!!」
無数の魔力球がアーサーに向け放たれる。
「面白ェ…!!滾るぜ…!雷雲の構え、雷神開手!」
様々な角度、速度で飛んでくる生地獄を受け流していくアーサー。
1つも失敗できねェ。
我輩ですら当たるとタダじゃ済まない魔法をこの頻度…!!そしてこの精度…!!
「カカカッ!面白ェぞ…!!イグニ!!」
「この数を…捌きますか…。戦神アーサー…!」
さらに生地獄を撃ち込むシルビア。
「オオゥ、イグニ!貴女も熱くなってきたかァ!?」
笑顔で捌き続けるアーサー。
「ちっ!」
額に汗の滲むシルビア。
疲れが見えるな…。
この機は逃さねェ…!!
「行くぜェ!イグニィ!!」
受け流していた生地獄をシルビアに向け軌道を変えるアーサー。
「くっ…!ここで…!ハァ!!」
生地獄をだし相殺するシルビア。
「いい魔法だ。火力も申し分なく精度もいい。だがなァ…」
「なにを…」
「我輩もただ正面からしか魔法を返せない訳じゃねェ。」
「なっ…!」
背後を確認するシルビア。
大きく弧を描いた軌道で背後から迫る生地獄。
「ヘルズリ…くっ!!」
相殺を狙うもクラリとするシルビア。
「限界か?いい魔法だったぜ。」
ドォォォン!!
アーサーの魔力が足され火力の増した生地獄が大きく爆ぜた。




