捉えるも生地獄
「くっ…!」
ガァン!バチチチチッ…!
咄嗟にナイフで防ぐも弾き飛ばされ地面を転がるシルビア。
「あれだけ爆炎直撃しているのに元気ですね…」
「カカカッ!確かにいい魔力だが我輩は戦神ぞ?」
満足気なアーサー。
「そして、ついに捉えたぞイグニッ!さぁどうする?」
笑みを浮かべ歩み寄るアーサー。
「一撃防いだだけでこの重み…」
僅かに震えるナイフを持つ手。
ここはまだ削る時間…!勝負に出るべきじゃない!
体勢を立て直すと距離をとるシルビア。
「ほぅ、何をする気だ?」
「“愚かなる者の心の臓よ、最期の鼓動を献上せよ。生地獄”」
魔力の球体がアーサーに向け放たれる。
「ぬっ…魔法を撃ってきたか!来いッ!」
バチ!!
両手に雷魔法を纏い迎撃の構えを取るアーサー。
生地獄に触れる瞬間身体の毛が逆立つ。
「むっ…!!」
この魔法…高度な爆破術…!
一定の範囲のみ消し飛ばす魔法か…!!
単純に弾こうとすれば間違いなく爆ぜる。
「だが…!」
ニッと口角を上げるアーサー。
「この程度返せずして何が戦神かッッ!!雷雲の構え、雷神開手!」
両手を縦に開き生地獄の周りを沿うように手を這わせるアーサー。
身体を回転させると、魔力も追従するようにその軌道を変える。
「返すぜ、この魔法。」
シルビアに向け手を伸ばすと魔力は弾けることなく方向を変えた。
「生地獄を返した…!?ちっ!」
即座にもう1つの生地獄を放ち相殺するシルビア。
「まさかこれを返してくるとは思いませんでしたよ」
「カカカッ!だがこんな魔法をいとも簡単にポンポン出してくるたァ思わなかったぜ。」




