怨恨の大剣
「先程は壮絶な試合でした…。イードルスには戦士の休息を祈りましょう。」
剣を胸の前に立て目を瞑るスイング。
そして剣を掲げる。
闘技場は静寂に包まれた。
そのまま数秒姿勢を維持し、剣を収めるスイング。
「では、次の試合に参ります。皆様、この試合も見逃す訳にはいきません。我らがアロンダイト隊長を破りその強さを見せつけたグリーディアのロングソードvs戦神トール・アーサー先代頭領!この2人が今ぶつかります!!」
わぁぁぁぁぁ!!!
静寂からうってかわり大きく盛り上がる会場。
ロングソード、アーサーの両名が入場する。
「キミの情報が得られれば…と思っていたけれどまさか本人と会えるなんてね」
鋭い眼差しでアーサーを睨むロングソード。
「なんだァ?女。我輩を探していたのか?」
「……そうだよ。ボクを覚えているかい?」
「悪いが記憶にねェな。」
即答するアーサー。
その瞬間にロングソードから溢れる殺気。
「…そう。ボクが弱くてつまらないかったから覚えてないんだね。今度こそキミかボクが死ぬ時が来たんだよ」
手を掲げ大剣を顕現するロングソード。
「ほォ、いい武器だな。でけェ剣はそれだけで強い。だが女、我輩は殺されるつもりも殺すつもりもない。」
「前も聞いたよ…!!そのセリフ!!」
ガギィィィン!!
突如アーサーに斬りかかるロングソード。
ニヤリと笑みながら大剣で防ぐアーサー。
「太刀筋も良し。記憶にはねェが楽しめそうだ。」
「女だから斬らないなんて戯言を聞くつもりは無い…!!ボクに斬られろ!!さもなくば斬ってみろ!!」
「ロングソード!開戦を待たず斬りかかったぁ!!アーサー先代頭領から異議申告はありません!このまま試合を開始致します!!」




