恐怖から怒りへ
嫌…!!怖い…!怖い…!!
「あぇぇ…!!」
恐怖に耐えられず臓物を吐き散らすモナ。
イードルスにどしゃどしゃと降りかかる。
「あ、あれは臓器でしょうか?イードルスは何をしたのか!決着がついたということでしょうか!」
スイングの声が響くがあまりの光景に闘技場は静まり返っている。
「これは内蔵…?どういうことでしょう…?」
モナのへこんだお腹を見つめるイードルス。
また少しずつ膨れていくモナのお腹。
「臓器を再生している…!?なんと素晴らしい…!幾度と内蔵を取り出せるのですか?復元する際はどのように生成されるのでしょう?割腹し取り出しても再生するのでしょうか…!!」
興奮している様子のイードルス。
モナは震え抵抗もできていない。
「あぁ…。この目で内蔵が生成される様を見たいですね。貴方の恐怖を和らげてあげたいのですが薬を使うと生体反応が変化してしまう可能性があるので我慢してください。貴方と同じ合成生物が2人以上いれば1人は薬を使えたのですが…。」
「2人…?」
「おや?お友達がいるのですか?貴方と同じ作りの。」
仮面越しにモナを見つめるイードルス。
「いたら…同じ事をするの?」
「場合によっては違う対応になりますが貴方に薬を使う事ができますよ。痛みも恐怖も感じなくて済むのです。お友達はどこにいるのですか?」
イードルスの仮面を見つめるモナ。
…イードルスはマコにも同じ事をしようとしてる。
モナがマコの事を黙っていてももしマコがいつか見つかっちゃったらこんなに痛くて怖い事マコにしようとしてる。
マコはモナの宝物。
ぜったいに傷つけさせない。こんな事は…させない。
「うぅぅ…うぅうう…!!」
「おや?どうされまし「あぁああぁぁぁ!!」
響くモナの咆哮。爆ぜる魔力。
ゴォォォ!と激しい音を立て周囲一帯を焼き払った。
「っ…!なんと、これ程の魔力を…!素晴らしいですね!貴方の魔力を抑えていたつもりでしたが、隠し玉があるとは…!」
全身から煙をあげるイードルス。
所々に火がついている。
「何が起こったのか!!モナが爆発を起こしイードルスが吹き飛び焼けています!」
ざわつく闘技場。
しかしモナの耳には入らない。
フューゼに怒られちゃうかもしれない。
もしかしたら嫌われちゃうかもしれない。
それでも…それでもモナは…
「あなただけは燃やし尽くす。灰も残さない。」




