サキュバスの眷属になったと思ったら世界統一することになった。

第7章〜武闘大会〜

動き出すイードルス

「さぁ、どうされますか？」

ぐいと地獄鞭(ヘルズルウィップ)を引っ張るイードルス。

「くっ…！」

モナは一瞬体勢を崩すもすぐに持ち直す。

「試した事ないけど…！」

掴まれているところだけ魔力を抜く感じ…！！

普通の火にすれば掴めないはず！

モナが集中し、地獄鞭(ヘルズルウィップ)を振るう。

鞭の真ん中から先に向け魔力解除が発生し、

魔力を伴わない火へと変質した。

「限定的な魔力解除…。その歳で行えるとは驚きです。」

イードルスが影の手を握り込むと油に付けたような炎がぽとりと落ちた。

「できた…！！」

うまくいった…！このままモナが攻め続ける…！

「やあっ！」

地獄鞭(ヘルズルウィップ)がイードルスを捉える。

パァン！パパァン！

連撃がイードルスを焼き空気を破裂させる。

影の手が時折その鞭を掴むも魔力解除で立て直し、すぐに次の攻撃にうつる。

…魔力は充分頂きました。これ以上の消耗は必要ないですね。

「仮面武闘壊(マスカレード)。さぁ私を彼女のもとへ。」

ガン！

影の手が地面を掴み反動を利用し、素早く移動を始めたイードルス。

「…！地獄炎壁(ヘルズルウォール)！！」

咄嗟にモナが右手を掲げる。

炎壁がイードルスとモナの間に燃え上がる。

「簡易詠唱の炎壁では私を止めることはできませんよ。」

「きゃっ…！！」

炎壁から飛び出た影の手はモナの頭をがしりと掴んだ。