副頭領の刃
「先手必勝…ヴァンドラ様、行きますよ。」
剣に手を沿わせるランスロット。
剣の色が緑に染まっていく。
「新しい技か…?」
直接受けるのは避けるか…。
「こい、炎剣。」
フューゼの手に炎剣が握られる。
「“我が魂に力を、我が剣に鋭さを…百雷の力を宿せ…始雷”」
バチィ!
ランスロットの周りに電気が走る。
「始雷…!一閃か?」
消えるランスロット。
「っ!!」
ギィン!!
フューゼの炎剣に強い衝撃が走る。
「八雷黒点!」
遅れて7回衝撃がフューゼを襲う。
電気を伴う衝撃に大きく体勢を崩す。
「くっ…!!一撃防いだだけなのに…!!」
「八雷黒点は一撃に全てを凝縮した八雷。防いでも体勢を維持するのは難しいでしょう…!」
剣を振るうランスロット。
フューゼはなんとか躱す。
「避けますか…!!しかし!」
剣を納めすぐにまた抜くランスロット。
同時にランスロットの形をした雷がフューゼに迫る。
「なんだ…!?」
炎壁をだし防ごうとするが完全には防ぐことが出来ず、フューゼに直撃する。
「魔力防壁で防げたが…!よくわからない技がどんどん飛んでくるな…!」
正面を見るフューゼ。
そこにランスロットの姿は無い。
「影雷雷縛り。直撃した今、ヴァンドラ様といえども動けないでしょう。」
声の方向…上か…!?
フューゼが上をむくと刃が眼前に迫っていた。
「落雷!」
ジュゥ!ザンッ!
フューゼのいた所に深く刺さる剣。
フューゼは後ろに飛び受身を取り攻撃を避けた。
「なっ…!?紅葉走り!」
ランスロットの剣から、
雷魔法が5本地面を這うように飛び出す。
「地獄炎壁!!」
ゴゥと音を立て炎壁が雷を打ち消す。
「まさか…雷縛りを受けて動けるとは…。それに紅葉走りまで簡単に…。」
「やっと攻撃が止んだようだな…!」
落雷…だったか。
剣が掠った時に焼けるような音…。
焼け焦げた…とは違うなにか甘い匂いがした…。
魔力防壁は問題無さそうだが…。
何か怪しい…!!
フューゼが体勢を立て直そうとしたその時
ガクン!
「っ!?」
フューゼは崩れ、片膝をついた。




