第7試合決着
「グルルルァ!!」
吠えるティラコ。
その爪は矢を落とし続け、
勢いの衰えた風龍の攻撃は神速を捉えられない。
体力は持つ……!魔力は…!持たせる!!
ギリ!
と牙を鳴らすティラコ。
その時突然矢の嵐が止む。
上を見上げると口を開けたまま睨む風龍。
「矢が尽きたか…!?今度こそ好機は逃さない!」
ゴオオオォォォ!!
気付けば引き裂かんと頭上に迫る龍頭。
エクシス・クルァーベに爪を立て、
横に向け跳ぶティラコ。
その瞬間爆ぜるティラコの元いた場所。
ティラコは水魔法を纏い風龍の身体に突っ込む。
「エクシス・山猫の裂爪!!」
ジュバァ!!
風龍を切り裂き、ティラコが姿を現す。
「あれを…凌ぎきりますか…!!」
片膝を尽き苦笑するカイル。
出血も多く元から白い顔も、
生気を失いより白くなっていた。
「矢が尽きたかと思ったが…限界だったか」
「まだです!!」
片手を向け矢を放つカイル。
ティラコは軽くいなすが反動で倒れるカイル。
「負けを認めるか?」
「これでもグリーディア軍の端くれ!降参などしない…!!」
何とか立ち上がり魔力を込めるカイル。
「天災よ全てを壊せ!!嵐龍…」
「悪いな」
ブシャ。
カイルから吹き出る血。
詠唱を待たず切り裂いたのはティラコの爪。
ばたりと倒れるカイル。
判定員が駆け寄り戦闘不能宣言を出す。
「あまりの展開の速さに呆気に取られてしまいましたが決着!!!カイルVSティラコ!勝者は神速のティラコです!!!」




