龍鱗と牙を折る爪
風龍から無数に飛び出す矢…!
厄介だ…!!本当に…!!
矢を避け続けるもそのあまりの数に
矢はティラコの身体を掠めていく。
「持久戦は不利…!」
カイルの方に目を向けるティラコ。
俯いている…?足下の血…!
ここで攻めるしかない!!
ガッ!
「なっ!」
ティラコの身体が宙に浮く。
どさり。
カイルに注目するあまり地面に刺さった矢に気付かず、足を取られこけるティラコ。
「くあっ!」
しまった…!
好機を無駄にするどころか不利に…!
「くっ…!」
「風龍!!」
カイルの声が響くとぐるぐるとティラコを囲み
とぐろを巻く風龍。
見渡すも周りは全て風龍の身体。
上からは大きく口を開きブレスを撃たんとする龍頭。
「全方位からの攻撃がくる…!魔力を使いたくなかったがしょうがない…!!」
体勢を立て直すティラコ。
「全ての源よ、顕現せよ!エクシス!」
詠唱により水魔法エクシスが展開された。
「母なる水よ!我が身を守る壁となれ!エクシス・クルァーベ!」
詠唱を唱えエクシスに手を入れるティラコ。
エクシスは変形し、ドーム状となり
ティラコを覆った。
「あの物量ならエクシス・クルァーベだけでは防げないかもしれない…それなら!」
「終わりです…!!牙息吹!龍鱗矢!!」
かすかに聞こえるカイルの声。
その瞬間。
ドドドドドドドドドド!!!
全方位からの矢の嵐。
エクシス・クルァーベにより勢いは落ちるものの
内部に侵入してくる矢。
「神速のティラコを舐めるな…!!山猫の裂爪!!」
目にも止まらぬ爪撃。
次々と矢を落としていく。
クルァーベが続いてる限りなら防げる…!
私の魔力が切れるのが先か
奴の魔力か矢が尽きるのが先か…!




