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肉裂く龍鱗
「このまま本体を叩く!」
「くっ…!!」
矢を連射し迎え撃つカイル。
しかしそのことごとくを躱すティラコ。
「決める!!」
躱しながらさらに接近する。
「今です!怒れ風龍!龍鱗矢!!」
カイルが叫ぶと風龍の
身体から矢が無数に飛び出す。
「ブレス以外にも矢を放てたのか…!?」
攻撃を止め回避に専念するティラコ。
直撃を免れているが傷が増えていく。
「はぁ…!はぁ…!これだけの攻撃をよく躱せますね…!!」
汗を滲ませ俯くカイル。
足下には血が拡がっている。
このままでは僕がもちません…!どうすれば…!
「くぁっ!」
不意に響くティラコの声に顔をあげるカイル。
そこには倒れたティラコ。
「くっ…!」
矢は…刺さってない…。
何があったかわかりませんが今しかない…!
「風龍!!」
カイルに応えティラコをぐるりと囲む風龍。
そしてとぐろを巻いた。
「終わりです…!!牙息吹!龍鱗矢!!」




