牙息吹
「風龍よ射抜け!牙息吹!」
手をかざすカイル。
風龍が大きく口を開く。
何をする気だ…?
ティラコが一瞬動きを止めたその瞬間
ゴオオオォォォォ!!
風龍の口から豪風が放たれた。
難無く躱すティラコ。
「体当たりのみではなく射程が伸びたということ…か…?」
先程まで自分が居た場所を確認をし驚くティラコ。
そこには無数の矢が突き刺さっていた。
ただの風魔法じゃない…避けて正解だった。
1度でもまともに当たれば命はないな。
「私の首を取りにきたな?」
カイルを睨むティラコ。
「えぇ。貴方は僕が手心を加えて勝てる相手ではありませんからね。」
ガチャリと照準を合わせるカイル。
「面白い!!」
にやりと口を歪め牙を露出させるティラコ。
いくつもの残像と共に飛び出す。
「狩人を仕留めますよ!風龍!!」
口をガパリと開け横薙ぎに牙息吹を繰り出す風龍。
ティラコの残像が纏めて消し飛ぶ。
「グルル…!!」
ティラコは喉を鳴らし飛び上がる。
「逃がしません!!」
両腕の機械から矢を撃ち出すカイル。
射抜くもやはり消えるティラコの残像。
視線を下に戻すと
ティラコが低い姿勢で飛び込もうとしている。
「風龍!!」
ティラコへ突進する風龍。
横にステップし躱すティラコ。
そのまま風龍の横を走り抜ける。
「突進とブレスにさえ気をつければどうということはない!!私の速度には追いつけない!!」




