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神速

「いくぞ!」

体勢を低くするティラコ。


「させません!」

シュパッ!

弓を放つカイル。


矢が当たると思われた瞬間ティラコが消える。


気付けば眼前に現れ、

爪を振りかざしているティラコ。


「取った!」

迫るティラコに対して、

くるりと背を向けるカイル。


ギギギィン!!


背後から爪で切り裂こうとしていたティラコを

風を纏わせた矢を剣のように使い凌ぐカイル。


「なにっ…!?」


「神速のティラコ…貴方が残像を用いたフェイントを使う背後からの攻撃を得意としていることは事前に調べていましたよ。」


「…なるほど」

1度離れすぐ飛びかかるティラコ。

またも残像を残し背後から攻撃を繰り出す。


「はぁっ!」

矢でティラコの攻撃を弾くと同時に

流れるように矢をつがえるカイル。


シュバッ!!

風の力で加速した矢を放つもティラコは

それを躱す。


「始まって間もないというのになんと早い攻防だぁ!!どちらが早く相手を捉えるのか!!」



「いく…!」

飛びかかるティラコ。


「また背後から…!」

首を狙った一撃。

それを防ぐカイル。


「前後の攻撃、読み違えたら急所を切り裂く。仕掛けている私が圧倒的に有利だ」


「その通りですね。」

カイルがティラコが離れるタイミングで

矢を放つも身軽な動きで躱し、

すぐにまた飛びかかってくるティラコ。


「これはどうでしょうか。“近付く者を切り刻め。風円陣(ウィンドサークル)”!」

ブオッ!

カイルの周りに風魔法でできた半円が現れる。


「カイル!!全方位の攻撃を魔法で対処するつもりだぁ!!」



「グルルルラァ!!」

咆哮を上げ風円陣(ウィンドサークル)を切り裂く

ティラコの爪。


「私はこの程度で止められない!!」


「えぇ、わかっていますよ。貴方の事は事前に調べていると言ったはずです。」

ハッとするティラコ。

目の前に迫る矢の嵐。


「それを見越した上での攻撃です…!矢よ!加速しろ!」

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