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第7試合
「凄まじい試合でした!私鳥肌が治まりません!!」
スイングの実況に反応する観客達。
「兄貴……お疲れ様。」
そうポツリと呟くスイング。
観客の声にかき消される。
「さぁ!残すも後2戦!!第7試合はティラコVSカイル!!まずは幻想都市グリーディアから訪れた魅惑の貴公子、カイルの入場です!」
きゃあああ!!
カイルが姿を現した途端黄色い声が飛ぶ。
「あそこまで素晴らしい武を見せられたあとだと恐縮ですよ…。」
苦笑いしつつ、観客達に手を振りながら
入場するカイル。
「続きまして秘境グロウルより神速のティラコ!!狩りの時間だぁぁ!!」
「………」
一方開会の儀とはうってかわって、
周りには目もくれずカイルを見据えるティラコ。
「随分と怖い顔ですね。」
ティラコに声をかけるカイル。
「あなたに恨みはないけれど、グロウルには後がない」
構えるティラコ。
「死して恨まれては困るから伝えておく。始めから全力でいく」
「っ!」
ぞわりとするカイル。
弓をつがえる。
「両者構えました!では試合開始です!!」




