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折れし魂
「なっ…!」
シュルルルル…
ザンッ!
足元に折れた剣先が突き刺さる。
「な、何が起こったんだぁー!?ロングソードを斬りつけたアロンダイト隊長の剣が折れてしまったぁ!!」
「数多の戦場を切り抜けたアタイの剣がっ…!!」
顔を歪ませるアロンダイト。
「自慢の剣だったの…?こんなに脆いのに?」
アロンダイトを気だるげに
見つめるロングソード。
気付けばその身体に傷はなく、
銀に光り輝いていた。
「スキルか…!?クソっ…!!」
「剣を失った剣士に価値はないと思うよ」
「…なんだいそりゃ?降参しろってことかい?」
「言ったでしょ?ボク弱い奴に興味無いんだ」
「ふざけるのも大概にしろ!!」
折れた剣を構え走り出すアロンダイト。
ハァとため息をつくロングソード。
怒りに任せ剣を振るうアロンダイト。
ガギィン。
ロングソードが腕で受け止めると
アロンダイトの剣は砕け散った。