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サキュバスの眷属になったと思ったら世界統一することになった。  作者: ちょび
第3章〜幻想都市グリーディア〜
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実験奴隷

エルフの少年に連れられ大賑わいの通りを奥へ奥へと進んでいく。


しばらく歩くとまた大きな門が見えた。


「また門があるな。」


「そうッスね。この門の中が王族達や選ばれた人だけが生活してる空間になるッス。」


「そうなのか。それであそこの門番さんと話して通してもらうのか?」


「オイラが話さないと通れないんでちょっと待ってて欲しいッス!」


そう言って少年は門番の所へ走っていった。



「フュゼ様ー!グリーディアの王様に会ったら何を話すのか決めてるの?」


「え?いや、正直まだ考えてないな。とりあえずは敵は少ないほうがいいから同盟とか結べたらいいなぁと思ってな。」


「ヴァンドラ様。1つよろしいですか?」


「ん?どしたシルビア。」


「同盟を結ぶ。という事については賛成です。グリーディアは奴隷を扱っておりますし様々な恩恵を受けることができるでしょう。但しそれはこちらが上、もしくは対等と見られたときに限ります。なので最低条件として対等な立場での同盟。これだけはお気をつけ下さい」


「なるほど…わかった!ありがとうシルビア。」




「お待たせしたッスー!交渉終わったっスよー!」


「ありがとう。じゃあ先に進もうか。」


門をくぐるとそこにはとても大きなテントが

一定間隔で綺麗に並べられていた。

そして中央には一際大きなテントとその隣に

煙を出しているテントがある。


「すごいな。でもここも全部テントなんだな。」


「初めてみたよ…!面白いね!フュゼ様!」


「ここのテントは中に入ると他国の建物とあまり変わらない作りしてるッスよ!」


「それも凄いな。これは全部家なのか?」


「家もあるッスけど殆どは奴隷関係ッスね。奴隷の中の成績優秀者や素質のある者はエリートとして王家直属の訓練をここのテントで受けるッス。例えばあそこのピンクのテントは性奴隷。赤のテントは武術奴隷。といった形でわけられてるッス。」


「ここで奴隷の中のエリートを訓練してるのか。それよりもあの中央の大きなテントと煙のでてるテントが気になるんだが……。」


「あそこの大きなテントは王族達の家みたいなものっス。めちゃくちゃ広いッスよ!その隣は最近出来た何かの実験室みたいなとこらしいッスけどよくわかんないッス。でも王は最近そこに入り浸ってるから今そこにいると思うッス!だから今から向かうッスよー!」



実験とかやばそうなんだけど入って大丈夫なんだろうか……。



フューゼの心配も気にせずエルフの少年は煙の出るテントに入っていった。


「失礼するッスー!王様ー!いるッスかー?他国からの使者ッスよー!」


反応のない薄暗いテント。


「……本当にここにいるのか?」


「うーん…返事が無いからいないかもッスねー。オイラ探してくるッス!」


「あ、ちょっと!」


テントの外に1人で走り出したエルフの少年。



「行ってしまった……。どうする?アリス、シルビア。」


「下手に動くと合流できないかも知れませんしここで待つのが懸命かと」


「あの子いないと不審者と思われるかもしれないしね〜」


その時。



ガチャン。

突然前方からの物音。


「ひっ!」


アリスの後ろに隠れるシルビア。



「ヴァ、ヴァンドラ様……。何かいるようなんですが……」


目を凝らすと暗闇に蠢く小さな影。



「……誰かいるのか?」


ビクッとする影。


「フュゼ様。あの影2つ動いてない?」

確かによく見ると2つの影が動いている。



「敵意はないんだ。ここについて全く知らないから何か教えてくれないか?」


またもぞもぞする影。

しばらくすると片方の影がもう片方を引っ張ってきた。


近付くにつれあらわになる姿。

そこには銀髪でジト目の小さな女の子と

同じくらいの大きさの黒髪の子が現れた。


「……あなた達…だれ」


すこしぶっきらぼうに声をかけてきた銀髪の子。


「俺はフューゼ。よろしく!」


手を差し出すフューゼ。


名持ち(ネイヴァー)?知らない名持ち(ネイヴァー)が何の用?」


顔色は変えないが少し震えている銀髪の子。


「ひ、ひぃ!わた、わたし、美味しくないですよっ!こわっこわいですぅ!」


一方怯えきっている黒髪の子。


「お、落ち着いて?」


フューゼが落ち着かせようと黒髪の子に触れようとした。


「…………っっ!!!」


黒髪の子が声にならない声を上げた瞬間。


「ぅえええっ……!あぁ……!!」

どしゃあぁぁっ!


「!?」


ぼとぼとと自分の内蔵を吐き出し少女は座り込む。



「んなっ!!どうしたんだ!大丈夫か!!シルビア!これはどうなってる!?」


「わ、わかりません!何故臓器を吐き出したのですか!?」


ずっと前しか見ていない銀髪の子に振り向くフューゼ。


「君!これは一体どうなってるんだ!?」


「……怖くない。怖くない。怖くない」

小さな声で呟く銀髪の子。


「聞こえてるか!?君!この子はどうなったんだ!」


「……怖くない。怖くない」


「頼む!教えてくれ!」


つい銀髪の子の肩をつかむフューゼ。

一瞬驚き目を見開く銀髪の子。


「ぁぅ……。怖い」


どしゃっ!ぼとぼとぼと!!!

銀髪の子も内臓を吐き出し座り込んでしまった。

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